【試乗】ブリヂストン ECOPIA(エコピア) EX20シリーズ試乗レポート/岡本幸一郎(2/2)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:和田清志
これまた「NEXTRY」も悪くなかったのだが、「ECOPIA EX20」のほうがグリップ感は高く、しっかりとした剛性感もあり、ステアリングフィールにも手応えがある。
同じクルマなのにアソビがなくなった印象で、微小なステアリング操作にもしっかり応答する。低燃費タイヤにありがちな頼りない感じもなく、走っていて楽しい。
それでいて、ラベリング制度で転がり抵抗性能が「A」の「NEXTRY」に対し、プリウスサイズでは「AA」を達成した転がり抵抗の小ささを感じる。
そして、とても静かだ。開発者によると、最近では静かなクルマが増えたため、ユーザーからタイヤの発する音を指摘されることが多くなったとのこと。それに応えることも念頭に含め開発された「ECOPIA EX20」は、静粛性にも優れている。
また、低燃費タイヤは腰が弱いといわれがちだが、ウェット性能向上のためパターンの剛性を上げたという。
そのためブロック剛性も高くなっていることも効いてか、走り終えてトレッドを見たところ、「NEXTRY」はブロックの端が欠けていたのに対し、「ECOPIA EX20」は低燃費タイヤの減り方ではないように思えたほど、全体的にキレイに減っていた。
据え切り時の偏磨耗も考慮
最後に、「ECOPIA EX20C」を装着したタントで据え切りを試した。
ラグ溝を貫通させない内側のパターンを採用したことで、据え切りによる偏磨耗が抑えられるという。買い物などで狭い駐車場で日常的に据え切りを繰り返すユーザーにとって、メリットは小さくないといえそうだ。
「NEXTRY」もリーズナブルな低燃費スタンダードタイヤとして好バランスを誇る商品だが、 ドライでもウェットでも「ECOPIA EX20」はあらゆる面で大きく上回り、その差は実勢価格の差よりもずっと大きな価値があったように思う。
一度替えたら、しばらくカーライフをともにするタイヤ。
だからこそ、いいものを多くの人に薦めたいという素直な気持ちから、より高い性能と快適性を求める心あるユーザーには、「ECOPIA EX20」シリーズをオススメしたい。
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