MINIの基本とも言うべき3 DOOR。その中核グレードであるCOOPERとCOOPER S。キャラクターの異なる2台をモータージャーナリストの山田弘樹さんがチェック!
抜群のキャラクターと走りの愉しさによって、プレミアム・スモールセグメントのベンチマークとなっているMINI。今回はその最もベーシックなモデルである3ドアに試乗し、改めてMINIというクルマの魅力に迫ってみた。
モデルはクーパーと、クーパーS。いざMINIを手に入れようと思ったとき必ず候補に挙がる、ふたつのグレードである。
さてMINIといえば、MINI COOPER(クーパー)だ。
昔からMINIのことを「ミニクーパー」だと思っている人も多いようだが、これは間違いで、MINIの“クーパー”というグレードである。その由来は、1950年代からレーシングコンストラクターとして活躍し、クラシックMiniをチューニングして時の人となったジョン・クーパー氏であり、現行MINIの最強グレードであるJCWも、「ジョン・クーパー・ワークス」の頭文字を取ってブランディングされている。
つまりMINI クーパーは、単純明快「MINIを速くしたモデル」なのである。
とはいえそんなMINI クーパー、ゴロがよいのかイントネーションの妙か、やっぱりその名前を口ずさんでいるだけで、気分がウキウキしてくるから不思議だ。そして肝心な走りの方もクーパーの名と、ぴったりシンクロするからなお面白い。
エンジンは1.5リッターの排気量を持つ直列3気筒ターボ。排気量からしてちょっと控えめな印象を受けてしまいそうだがこのエンジン(B38A型)は、ずばり名機である。これはMINIのみならず、BMWの各ベーシックグレードにも搭載される主力エンジンであり、あの近未来的なプラグイン・ハイブリッド・スポーツカー「i8」にもミッドマウントされた歴史を持っている。
MINI ONE(102ps/190Nm)から出力アップされたエンジンは、136ps/220Nmのパワー&トルクを発揮する。特に1480rpmという低い回転域から4100rpmの実用域まで保持される220Nmの最大トルクは、街中でのピックアップに極めて有効であり、MINI クーパーの機動性をきっちりと確保している。少し硬めだが、スッキリとした足まわり。抵抗感が少なく転がりのよい17インチタイヤに、低速トルクの蹴り出しが加わることで、欲しいときに欲しい加速が、過不足なく得られるのだ。
とくに現行モデルは7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を組み合わせているため、エンジンのレスポンスが良くなっている。MINIがDCTを投入したのは環境性能を高めるためだが(WLTC総合モード14.9km/ℓ)、効率が良い即ちレスポンシブ&スムーズということであり、トルコンAT時代よりもその動力性能は、大きく洗練された。
またこうした街中での特性は、高速巡航時にもぴたりとマッチングする。7速に多段化されたギアリングは合流時の加速力を保持し、流れに乗ると高いギアへとシフトしてクルージングモードに移行する。街中でややソリッドに感じられた足まわりは速度が高まるほどにしなやかさを増し、カーブではしっかりと車体のロールを支えてくれる。
前輪駆動ゆえにショートホイールベースでも直進安定性は高く、ブレーキもタッチがしっかりしている。クルーズコントロールはまだハンドル支援のアップデートが施されていないものの、そもそもこの快適かつスポーティな乗り味を求めてMINI クーパーを選ぶならば、そのステアリングは自分で管理するのが最もらしいとすら思えた。
つまりそれだけMINI 3ドアというクルマは、操作感が楽しいのだ。運転を楽しむために選ぶ一台なのである。
TEXT/山田弘樹 PHOTO/土屋勇人
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