まずは、走り出しの軽快感がとても印象的だ。軽量なBBS鍛造アルミホイールによりバネ下重量が軽減され、低μ路面でもタイヤが転がり出した瞬間からクルマ全体の動きが明らかに軽い。走り出しの動きが軽快なので、アクセルを踏み込む量が少なく済み、結果として低μ路面での安定感が高まる。
動き出しの軽快感とともに、BBSの鍛造アルミホイールを装着したクルマならではのシャープさを増した操縦性と、情報量の多さによる路面感覚の掴みやすさも印象深い。全国津々浦々の道路を走った筆者の経験から、冬の旭川市内の交差点(ツルツルに磨かれたミラーバーン)は日本でもっとも危険な道のひとつとして認識している。交差点への進入時のブレーキングと、立ち上がりのアクセルワークには最大限の慎重さが求められるが、タイヤと路面がコンタクトしている様子がイメージしやすいので、雪国出身ではないドライバーでも過度に緊張することなくドライブできるのがありがたい。フォレスターのAWD性能と、ミシュランX-ICE 3+の氷上グリップ性能の高さも絶大な安心感に大きく貢献している。
標準装着のアルミホイールを装着した状態では、バネ下の重さが重厚感をもたらし、これはこれでSUVらしく悪くはない。しかし、全域にわたって動きが軽く、路面からの情報量がより豊富となるフィーリングを歓迎するドライバーは多いはずだ。
旭川市内から郊外へ向けると、固く踏み固められた圧雪路のフラットな直線が延々と続き、途方もなく広い大地をひた走る北海道らしいグランドツーリング的なドライブを堪能。法定速度の60km/h程度でも雪上では体感速度域が高めになるが、そんな状況でもわずかなステアンリング操舵にも遅れることなく応答する確かなグリップ感が途切れることなく伝わってくる。朝から夕方までずっと走り続けたが、終始リラックスしてドライブできるので、驚くほど疲れなかった。