最後は北海道の難所「北見峠」でワインディング試走へ。ここではオブザーブ・ガリットギズが実に完成度の高いスタッドレスタイヤだということが判った。
要になるのは、タイヤのゴム自体は柔らかく、目に見えない路面の凹凸にグイグイと食い込みグリップを確保していること。通常はこの手の柔らかいゴムだと、タイヤ全体がフニャフニャになりハンドル操作への応答も悪くなる。
おまけにクルマの動きは不安定になるし、そもそも圧雪路などでは雪にザクッとブロックが刺さらないため、シャーベットをかき分けられない。
しかし急なアップダウンとコーナーが連続する路面でも、高荷重に耐えられるブロックパターンやタイヤ構造など、ミニバン専用タイヤで培われた技術的なアドバンテージがあるためか、ゴム自体は柔らかいのにブロックやタイヤ全体には“適度”な剛性感が確保されているのだ。
これは極めて心強いという印象を受けた。
この柔と剛のバランスは絶妙で、おかげで路面把握がしやすい。
懐の広いグリップ力で旋回中の追加操舵にも的確に反応するなどの自由自在感を生み出している。そしてブレーキ減速感もとてもナチュラルだ。
他にもタイヤが路面にペトッと吸い付くようにグリップする感覚や、前後方向のグリップと横方向のグリップ力バランスが良く、安心して走れる特性、さらには乗り心地の良さなどもきちんと備わっている。
ただ、すみません…、やはり原稿では語り尽くせないので、是非、動画をご覧ください!
今回は全行程、天候にも恵まれスタッドレスタイヤを試すには好条件のなかで、「オブザーブ・ガリットギズの“瞬間スタッドレス”とはまさにっ!」という体験をすることができた。
そんななかでも最も印象的だったのが信頼関係の築きやすい(操作に対して反応が良く、さらにちゃんとわかる)冬用タイヤであり、それが安心感に繋がることで得られる高い満足度だった!
TEXT:五味康隆・飯田裕子 / PHOTO:堤 晋一