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自動車ジャーナリスト 渡辺陽一郎・小沢コージによる新型車徹底解説!スズキ バレーノ ロードインプレッション:CITY ROAD編

最大の魅力は、欧州仕込みの走りとそのスタイリングにある

インプレッションムービー:渡辺陽一郎

バレーノの1.0L直噴ターボブースタージェット エンジンは、排気量が1リッターながら、ターボの装着によって最高出力が111馬力(5500回転)、最大トルクは16.3kg-m(1500~4000回転)を発揮する。加速性能は1.6リッター並みだ。
 特に最大トルクが1500~4000回転という幅広い回転域で発生するため、低回転域から滑らかな加速が行える。3000回転付近を超えると加速力が活発になり、市街地から峠道の登坂路まで余裕を持って走れる。
 トランスミッションが有段式の6速ATになることも注目点だろう。加減速にダイレクト感が伴ってメリハリがあるから、運転して楽しく、街中では速度の微調節もしやすい。欧州車に共通する特徴を備える。
 この適度に機敏な運転感覚を盛り上げるのがボディの軽さだ。バレーノはBセグメントと呼ばれるコンパクトカーのために新開発されたプラットフォームとサスペンションを採用する。衝突安全性やボディ剛性を十分に確保した上で、車両重量が950kgと軽い。5ナンバーサイズに収まる1.2~1.3リッタークラスのコンパクトカーと比べても、50kgはボディを軽く抑えた。全幅がワイドな3ナンバーサイズのミドルサイズハッチバックと比較すれば、250kg前後の軽量化を達成している。この軽さはいろいろな機能に優れた効果をもたらした。


ファミリーカーとして使う時の居住性にも注目したい。
前席はサイズに余裕があり、肩まわりまで確実にサポートする。ハンドル、座面ともに前後/上下の調節が可能だから、運転姿勢を合わせやすい。
 後席は足元空間を十分に確保した。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先には、握りコブシ2つ少々の余裕がある。
 加えて前席の下に十分な空間があり、後席に座る乗員の足が収まりやすいから、リラックスして座ることが可能だ。立体駐車場を利用できる適度なボディサイズとしながら、大人4名が快適に乗車できる。
 荷室容量も十分。後席には6:4の分割可倒機能が備わり、乗員や荷物の量に応じて荷室のレイアウトを変更できる。後席を前側に倒した時にラゲッジボードを上段にセットすれば、フラットな荷室が広がってさらに収納がしやすい。
 居住性や積載性を高めた一方で、市街地での取りまわし性も良好だ。全長が4m以内に収まり、最小回転半径も4.9mだから、駐車場などでの小回り性能も優れている。快適な居住性を備えながら、初心者ドライバーも運転がしやすい。

  • TEXT:渡辺陽一郎
  • PHOTO:堤 晋一
インプレッションムービー:小沢コージ

インド産でヨーロッパ指向の日本ブランド車=バレーノのどこが凄いかって、 最大のキモはスタイリングにある。正直、日本だと日本車は5ナンバー枠や駐車場サイズの壁があってカッコ良さや実用性をトコトン追求できない。どうしても横幅制限が出てきて伸びやかさが出せないからだ。
 一方、バレーノの全長×全幅×全高は3995×1745×1470mm。全長こそほぼ4mジャストとコンパクトカーレベルだが、横幅は1.7m超で伸びやか。スタイルの良さと使い勝手をスズキ流にトコトン追求できているわけ。
 実際、フロントは好みは分かれそうだが最近のスズキにない攻めたラテンテイスト。V字にシャープに伸びたグリルと、同じく釣り目のライトが折り重なりあって、今までにないスポーティさがある。


さらに白眉はスズキが「リキッドフロー」と名付けたセクシーなサイドラインだ。前後フェンダーがマッチョに膨らんだ上、センターはギュッと絞られ、実用ハッチバックとは思えないセクシーさ。リアも高めのテールランプに向けてほどよくハネ上がってる。
 それでいて驚きは室内の広さだ。スポーティで低めなのでイマドキのSUVほど高さに余裕はないが身長176cmの小沢が前に座っても後席に余裕で座れ、コブシで2個以上のスペースが生まれる。ついでにラゲッジも320Lと4.2mクラスの大きめハッチバックには敵わないもののコンパクトとしては十分の広さ。
 インテリアもベーシックグレードの「XG」はシンプルさが目立つものの、その上の「XT」なら適度にシルバーパネルが付いて質感アップ。デザインも外観同様ラテンテイストでもしやこれってスペイン産?とか言われても分からないくらいのラテンムード。それこそがバレーノの白眉なのだ。

  • TEXT:小沢コージ
  • PHOTO:堤 晋一
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