パナソニックのカーナビ「ストラーダ」の映像を語る上で外せないのが、PEAKSプロセッサー。元々は、パナソニックの家庭用デジタルハイビジョンTVを高画質するべく開発されたパナソニック独自の高画質回路。その歴史は古く、ブラウン管TVの「T(タウ)」の頃から始まっている。それが年を追うごとに進化し、現在のカーナビのストラーダにも引き継がれているのだ。
PEAKSプロセッサーでは色味、コントラストなど、さまざまな補正を行い、高画質を実現しているわけだが、キモとなるのは映像信号の入力から出力まで、フルにデジタル処理を行うこと。そのため、元の映像を損なわないクリアな高画質を楽しむことができる。
また、もうひとつのキモが、インターレース方式をプログレッシブ方式に変換することだ。これはディスプレイに映像を表示する時の走査方式で、インターレース方式とはすべての走査線の1本おきに画像を送る方式。たとえば480/60iなら、480の走査線のうち奇数のフィールドと偶数のフィールドを交互に表示する。しかし高速で交互に表示しているので、残像効果により連続したひとつの映像として見えるというわけだ。対してプログレッシブ方式は、すべてのコマをすべての走査線を使って表示する。480/60pならつねに480本の走査線を使って表示するのだ。
そのため風景のような動きの少ない映像では、細部までくっきりと見えるし、スポーツなどの動きの速い映像も、動いているものの輪郭がギザギザしたり、ちらついて見えたりせずに、くっきりと見える。サッカーワールドカップのスピード感ある動きも、くっきりと表現してくれるわけだ。
家庭用TVで培った高画質のノウハウを持ち、それをカーナビにも応用できるパナソニックだからこそ可能なPEAKSプロセッサーの採用は、画質面でライバルの追随を許さない。
このPEAKSプロセッサーによるインターレース方式→プログレッシブ方式への変換が、最も効果的なのがDVDビデオの再生。というのも、DVDビデオ(NTSC)の標準画像は、縦480ピクセルのインターレース方式だからだ。パナソニック「ストラーダ」なら、地上デジタル放送はもとより、DVDビデオの映像もプログレッシブ方式で再生可能。だからDVDビデオも緻密で高精細な映像が楽しめるというわけだ。しかもDVDドライブは自社開発。信頼性も高い。
その緻密な映像をより高画質で再生するための技術も充実している。ストラーダの上位機種「Rシリーズ」は、表面がクリアパネルの静電式タッチパネル・ディスプレイを採用。表面がガラスだからフラットで、感圧式タッチパネルのように間に空気の層が無いから、バックライトの透過率が高いし、外光の乱反射も抑えられる。そのバックライトは、輝度が高い白色のLEDを採用。日中の車内でも明るくメリハリの強い、くっきりとした映像を再現する。また光拡散フィルムや高濃度カラーフィルターも採用し、運転席や助手席で、画面を斜めから見るスタイルでも見やすいし、色再現性も大幅に向上した。
またホワイトバランスの調整にもこだわった。とくに力を入れたのが、繊細なホワイトバランスや色温度の調整が必要な肌色の自然な再生。使用環境が車内であることを考慮し、青みを強調することで自然な肌色を実現したという。
自宅のブルーレイ/DVDレコーダーや液晶TVがパナソニック製なら、録画したTV番組をSDメモリーカードにコピーしてストラーダで再生できる番組持ち出し再生にも対応。HDMI入力を装備しているので、ビデオカメラで撮ったハイビジョン動画やスマートフォンの画像も、カーナビの画面で高画質で楽しめる。ストラーダには映像の入り口から出口まで、パナソニックの高画質技術が活きているのだ。