autoc-one.jp 記事・レポート 編集企画(パーツ・用品) カタログには載っていないセレナAUTECHの秘密に迫る!カスタムカー開発の裏側をアレコレ聞いてみた

編集企画(パーツ・用品) 2018/12/7 14:45 オーテックジャパン
PR

カタログには載っていないセレナAUTECHの秘密に迫る!カスタムカー開発の裏側をアレコレ聞いてみた

関連: 日産 セレナ Text: 小鮒 康一 Photo: 茂呂幸正

カタログには載っていないセレナAUTECHとオーテック車の秘密

日産 セレナのカタログは75ページにも渡る大ボリュームなものとなっているが、その中でセレナAUTECHに関するページはわずか4ページ。限られたページ数だけでは伝わりきらないマニアックな話題から、オーテック車全てに関わる部分まで気になる点を根掘り葉掘り聞いてみた。

これを読んで、オーテックジャパンが手掛けるカスタムカーへの理解を深めて頂ければ幸いだ。

なお、今回マニアックなお話にお付き合いいただいたのは、商品企画部商品企画グループ課長の成富 健一郎さん。それまでは開発部に籍を置いていたということで、商品企画と開発の両方の立場からコメントを頂くことができた。

オーテック車の開発はどの段階からスタートする?

日産 セレナAUTECH SPORTS SPEC

セレナライダー(現在は販売終了)のように、新型車の登場と同時にリリースされることもあるオーテックのカスタムカー。この辺りはさすが日産自動車のグループ会社といったところだが、新型車の開発の初期段階からかかわることはないそうだ。というのもオーテック車はベース車がありきのカスタムカーのため、ベースとなる基準車がある程度完成しないことには着手できないからだという。

また、開発中の車両について、オーテックのカスタムを施す前提での変更をしてもらうこともほとんどないとのこと。標準車からやってくれればいいのに…と思うのがユーザーの心理というものだが、例えばセレナAUTECH SPORTS SPECは標準車には装着されないボディ補強パーツが装着されているが、それを装着するための穴やボルトを事前に装着することはしない。

なぜなら、AUTECHを購入するユーザーは標準車を購入する大きな分母の中のあくまで一部なので、標準車のユーザーが必要としないSPORTS SPEC用のパーツを全ての車に折り込むのは得策ではないという判断からなのだ。

しかし、一方でライフケアビークル(福祉車両)などでは、車体改造を効率的に行うために、架装を前提とした車両作りをしてもらうこともあるそうだ。例えばセレナに関しては、2列目シートのシートベルトは通常はシート内蔵型となっているが、福祉車両に架装したときに車体にシートベルトを装着できるように対応してもらっているそうだ。

オーテックジャパンのカスタムカーに対するこだわりとは?

オーテックジャパン 商品企画部 商品企画グループ 課長 成富 健一郎氏

オーテックのカスタムカーの販売割合は、前述のように決して多くを占めるわけではない。しかし、エクストラコストを支払ってでもスペシャルなモデルが欲しいというユーザーの期待に応えられるよう、オーテックジャパンは常に妥協のない開発を行っているという。

実はオーテックジャパンの社員数は435名とそれほど多いわけではない(2018年10月現在)。そのため、1車種に関わる主要メンバーは十数人前後と少数精鋭部隊で行われている。しかし少数で開発を行っているからこそ小回りが利き、幅広い車種を手掛けることで多くのノウハウが蓄積されるというメリットも存在している。

また、オーテックジャパンではあの「901運動」(日産自動車が「1990年代までに技術の世界一を目指す」車作りを目標とした運動)に携わった人物も開発に携わっており、そのノウハウを後世に残す作業もしているため、今後開発メンバーが代替わりしても変わらぬ「オーテックらしさ」を引き継げるようになっているそうだ。

セレナAUTECHの専用色「カスピアンブルー」の込めた想い

日産 セレナAUTECH SPORTS SPEC

2018年9月の仕様向上でセレナAUTECHのボディカラーとして新たに設定された特別仕様車「カスピアンブルー」。オーテックジャパン創業の地である湘南・茅ヶ崎の海と空をイメージしたカラーで、セレナAUTECHでしか選択できない専用色だ。

オーテック車に専用ボディカラーが採用されるのは、オーテック創立当初に存在したR31スカイラインやセフィーロ、R32スカイラインのオーテックバージョン以来久しぶりのことである。

1グレードのために専用のボディカラーを用意するということは実は簡単なことではなく、机上で計算された色を実車に塗ってみるとイメージと違う色に見えたり、塗る部材(鉄板なのか樹脂なのか)によっても色味が違って見えたりと、思い描いた通りの色を出すのは難しいそうだ。そのため、試作とチューニングを繰り返して納得のいく見栄えとなってようやくリリースされるとのこと。

なお、他車種に設定されているカラーであっても、塗られる部品の形状が変わると見ための印象が変わるため、ノートAUTECHに専用で設定されるオーロラフレアブルーパールについても同様に手間ひまかけてリリースされている。なお、オーロラフレアブルーパールは深みのあるブルー系のボディカラーで、GT-RやフェアレディZにも設定されている。

>>セレナAUTECHの詳細

オーテック車は持込み登録車とそうじゃない車があるけどなにが違う?

日産 セレナAUTECH SPORTS SPEC

オーテックのカスタムカーの諸元に書かれる「AUTECHは持込み登録でオーテック扱いとなります。」という一文を目にした人も多いだろう。

一般的な新車はメーカーが発行する「完成検査終了証」があれば、発行後9カ月以内であれば検査場へ持ち込むことなく登録ができるが、持込み登録とはその名の通り、登録をするために検査場へ実際に車両を持ち込むということ。しかし、実はオーテックのカスタムカーの中にも持込み登録をしない車種も存在する(例えばノートNISMO)のだが、その違いはどこにあるのだろうか?

日産 ノート e-POWER NISMO S

その違いは意外と簡単で、工場のラインを出てそのままユーザーの元に届くのか、追加で架装をしてから届くのかの違いとなる。例えば、前述のノートNISMOの場合、NISMO専用バンパーやアルミホイールなどは通常の工場のラインで装着される。しかし、エンジンが載せ替えられるNISMO Sはもちろん、ボディ補強などが追加されるe-POWER NISMOなどもラインを出てから補強パーツが装着されるため、持込み登録になるというわけだ。

ちなみにノートNISMOのオプションでRECAROシートを選択すると、ラインを出てからシートを装着する形になるため、一転して持込み登録となるというのも面白いところだろう。

当然、一度装着したパーツを一旦外して別のものを装着することになるため、完成後のチェックはより入念に行われる。購入後にユーザーがカスタムするのではなく、基準車と同じメーカー保証が付くファクトリーカスタム車であるからこそのチェック機構と言えるだろう。

なお、外してしまう部位のパーツはそのまま捨てることはなく、例えばRECAROシートを装着する車両であれば構内移動用の仮のシートが装着された状態でラインオフし、RECAROシートに換装後は外したシートをリサイクルするなど、極力ムダが出ないように配慮がなされているそうだ。

余談ではあるが、先代マーチに設定されていた12SRは、専用マフラーを装着する関係でラインオフ時は純正マフラーの代わりにダミーのマフラーが一時的に装着されていた。コストを考慮した結果、その仮マフラーはほぼストレート形状だったため、構内移動時はとんでもない快音を奏でていたそうだ(構内向けの音量制限を満たしていれば良いため)。

>>オーテックジャパンのカーラインアップ

セレナAUTECH e-POWERにSPORTS SPECは出ない?

日産 セレナAUTECH SPORTS SPEC

セレナAUTECHには幅広いラインナップが設定されていることも魅力のひとつ。中でも、ボディ補強から専用サスペンション、専用コンピュータまで装着したSPORTS SPECは評価が高い。

そこで気になるのが、モーターのトルク感とレスポンスが好評のセレナe-POWER AUTECHにSPORTS SPECが設定されるか否かというところだろう。中には諸問題によって設定されないという噂もネットで目にするが果たして?

この疑問をストレートにぶつけたところ、意外な答えが返ってきた。

それは、セレナe-POWER自体が2018年2月に発売されたばかりということで、同時に開発をしていなかったために同じタイミングでリリースされなかったそう。今後、市場からの声が大きくなればセレナ e-POWER AUTECH SPORTS SPECの登場もやぶさかではないそうだ。

登場を心待ちにしているユーザーは、どんどん意見を伝えるのが吉と言える。

「こんなクルマが欲しい!」をオーテックジャパンに伝えるには?

AUTECH MARCH Bolero A30AUTECH MARCH Bolero A30

では、セレナ e-POWER AUTECH SPORTS SPECが欲しいと思ったらどこに思いの丈を伝えればいいのか?というと、カタログやホームページに記載されているオーテックコールセンターや日産ディーラーのスタッフに熱く語ればいいそうだ。

コールセンターは直接声が届くし、ディーラーも定期的にオーテックジャパンのスタッフがユーザーの声を聞き取るためにエリアごとに巡回しているそう。もちろん、モーターショーやオートサロンなどでブースにいるスタッフに伝えてもOKとのこと。

全ての意見が採用されるわけではないが、オーテックジャパンはユーザーからの声を大切にしているそうなので、ユーザーの意見が反映されることも少なくないようだ。

このように日産自動車グループながら、かなりユーザーに近い目線でカスタムカー作りを実践しているオーテックジャパン2017年の創立30周年を記念したマーチボレロA30は採算を度外視して同社の技術の粋を凝縮したモデルということで、改めてその技術力の高さも確認していただきたいところだが、特筆すべきは同社の社員の多くがゴリゴリのクルマ好きというところではないだろうか?

だからこそコアなクルマ好きに刺さるモデルをリリースすることができるのだろう。あなたもクルマ好きを自認するのであれば一度オーテックジャパンが手掛けるカスタムカーに触れていただきたいと思う。

>>オーテックジャパン オフィシャルサイト

筆者: 小鮒 康一

Corporate Profile

企業名:株式会社オーテックジャパン

郵便番号:253-8571

住所:神奈川県茅ヶ崎市萩園824番地2

TEL:0120-116-527(コールセンター)

企業HP:こちら

オーテックジャパン Info

オーテックジャパンとは?

日産自動車の関連会社である株式会社オーテックジャパンは、神奈川県茅ケ崎市に本社および工場を置き、カスタムカー、福祉車両、商用特装車の開発・生産・販売を行っている。カスタムカー部門では、人気のライダーシリーズやボレロを手掛けるともに、2017年からはNISMOロードカーの企画開発も行っている。さらに2017年には、新たなサブブランドである「AUTECH」を立ち上げた。毎年秋には「AOG里帰りミーティング」と称して、全国に納車されて”嫁いで”いったオーテック車が一同に会する大規模ミーティングを開催するなど、オーナーとのコミュニケーションを大切にしている。※AOGとは、Autech Owners Groupの頭文字。

<オーテックジャパンのカーラインアップ> こちら