日産 新型ノート vs ホンダ フィット どっちが買い！？徹底比較(3/3)

【新型ノート vs フィット 価格対決】スーパーチャージャー仕様には10万円の割高感が伴う

次は価格設定だ。

まずは、ノーマルエンジンを積んだ「ノート X」（129万8,850円）から取り上げたい。

フィットで装備が同等になるグレードは、「フィット 13Gスマートセレクション」（132万円）。価格差は8万円だ。「ノート X」にアイドリングストップが付くことを考えれば割安感は均衡する。

リアシートの居住性なら新型ノート、荷室の機能ならフィットという勝負も互角。走りは新型ノートが動力性能で劣るものの、落ち着きのある操舵感と乗り心地は魅力的。「ノートX」 と「フィット 13Gスマートセレクション」の勝負は僅差で「ノートX」の勝ちと考えたい。

次は、「ノート X・DIG-S」（149万9400円）だが、注意したいのは新型ノートのスーパーチャージャー仕様は割高ということだ。

買い得グレードに位置付けられているスーパーチャージャー仕様の「ノート X・DIG-S」は、前述のノーマルエンジンを積んでいる「ノート X」よりも20万円高い。装備は、スーパーチャージャーの動力性能は1.4リッタークラスだから、実質的に200ccの上乗せだ。

燃費が1.4km/L（JC08モード）向上することを考慮しても、スーパーチャージャーの価格換算額は10万円が妥当だろう。「ノート X・DIG-S」には10万円の割高感が生じている。

フィットの1.5リッターノーマルエンジンを積んだ「フィット 15XH」（158万円）と比較すると、「フィット15XH」は「ノート X・DIG-S」よりも約8万円高いが、装備は横滑り防止装置、新型ノートにオプション設定のないディスチャージヘッドランプ、エアコンのフルオート機能、クルーズコントロールとテンコ盛り。

「フィット 15XH」の装備換算額は、「ノート X・DIG-S」を22万円ほど上まわり、価格差の8万円を差し引いてもフィットが14万円は買い得になる。これはフィットの圧勝だ。

ならば、仮に「ノート X・DIG-S」が10万円安ければどうなるか。4万円の差額に収まり、動力性能は「ノート X・DIG-S」が少し負けるものの、アイドリングストップも備わって燃費（JC08モード）は5.2km/L上まわる。十分に太刀打ちできるだろう。

「ノート X・DIG-S」と「フィットハイブリッド スマートセレクション」（168万円）とも比べてみよう。価格は、「ノート X・DIG-S」が約18万円安い。ただし「フィットハイブリッドスマートセレクション」には横滑り防止装置、エアコンのフルオート機能、クルーズコントロールなどが備わり、これらの価格換算額が約13万円になる。実質的には5万円の価格差だ。

動力性能は、実用回転域でフィットハイブリッドが少し勝り、燃費（JC08モード）でも2.4km/L上まわる。それでもノートが5万円安ければ、釣り合いは取れるだろう。

背景にある理由は、フィットのハイブリッドの価格換算額が、ちょうど20万円になるから。いい換えれば、新型ノートのスーパーチャージャーの代金は、フィットのハイブリッド代と同等だ。

この勝負においても、「ノート X・DIG-S」が10万円安ければ、堂々の勝利を収められている。

日産は、早期にスーパーチャージャーのコスト低減を図り、価格を安くすべきだろう。それはともかく、車両価格が130万円前後なら「ノート X」、上級シリーズについては、燃費／動力性能と価格のバランスで決めれば良い。

以上の比較チェックを見ると、フィットは新型ノートにかなり追い上げられていることが分かる。

特にフィットハイブリッドは、アクアとのバランスを考えても燃費性能をさらに高める必要がありそうだ。このような競争により、コンパクトカーがますます魅力を増していくことを期待したい。