日産 ジュークターボ 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:オートックワン編集部
コイツはミニGT-R!?
キモである新エンジンは、新開発の1.6リッター直噴ターボ「MR16DDT」。
高い圧縮比を維持できる直噴ターボシステムに加えて、吸気側と排気側に可変バルブタイミング機構を持つツインCVTCを採用し、ターボの弱みであった低中速域のレスポンスはカンペキのはずです。
組み合わされるCVTは、6速マニュアルモード付きの「エクストロニックCVT-M6」。
シフトダウン時にエンジン回転数を同期させるシンクロレブコントロールも採用されておりますが、パドルシフトはございません。個人的にはCVTをマニュアル操作することはほとんどないので、問題ないであります。
ガソリン直噴モデルには2グレードあり、ひとつはFFの「16GT」。そしてもうひとつは、新開発の4WDシステムを搭載した「16GT FOUR」。これはエクストレイルのオールモード4×4-iの進化版で、トルクベクトルという新たなシステムにより、従来の前後トルク配分に加えて、後輪左右のトルクをもコントールし、コーナーを思い通りに、いや思った以上に曲がりまくるのです。
ランサー・エボリューションに採用されているアクティブ・ヨー・コントロールみたいなものですね。ジュークはついにランエボの域に達したのであります!
ついでにリヤサスはマルチリンクに進化。ここまでくると、「コイツはミニGT-Rか!?」とすら思えてきます。
では、実際の走りはどうだったのでありましょう!
正直、ちょっと期待はずれでありました!!まず足回り。これは相当ハードかつスポーティであります。1,500ccモデルは軽快かつスポーティでしたが、こっちは本格的にスポーティ。乗り心地が固いと感じる方もいるでしょうが、なにしろこれはミニGT-R。許容範囲でしょう。
そして目玉のエンジン。確かに低回転から十分なトルクがあります。
ECOモードにしておくと、2,000~2,500rpmあたりの美味しい領域を使って、ガソリン直噴ターボらしく、大排気量エンジンのような余裕の走りが楽しめます。
しかし、思ったよりも燃費が悪い。
街中で頑張ってリッター10キロ。これは仕方ないにしても、高速道路を80キロで巡航しても、リッター16キロが精一杯だ。うむう。フォルクスワーゲンやミニ、プジョー/シトロエンのガソリン直噴ターボなら、リッター20近く走るんだが。
これについて日産のエンジニアに尋ねたところ、「エコよりもスポーツ性重視のセッティングですので」とのこと。確かに1.6リッターで190馬力という数値は、フォルクスワーゲンで言えば、走りに特化したGTIレベルの数値だ。
多少燃費が物足りないのは仕方ないか。
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