日産 ジューク NISMO RS 試乗レポート/嶋田智之(2/4)

日産 ジューク NISMO RS 試乗レポート/嶋田智之
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戦後日本のモータースポーツ史に名を刻んできた日産&NISMO

日産 ジューク NISMO RS 試乗レポート/嶋田智之

ジュークNISMO RSは、御存知のとおり、2014年の7月にマイナーチェンジを受けた日産 ジュークのハイパフォーマンスモデルだ。位置づけとしては、マイチェン前にラインナップされていたジュークNISMOの後継となる。

日産とNISMOは、“NISMO”というブランドのあり方を見つめ直し、NISMOを従来までのいわゆる“レース屋”“スポーツパーツ・サプライヤー”から“メーカー直系のスポーツブランド”に育てようという方向にシフトしてきている。それは1984年の創立以来、いや、その前身である伝説の“大森ワークス”時代から日本のモータースポーツを支えてきたといえる長い歴史と数え切れないほどの栄光を秘めた“NISMO”の名前を、市販ラインナップの中の特別なスポーツモデルに冠するかたちで表れた。

その第1弾となった2013年デビューのジュークNISMOは、エンジンや足周り、空力などのチューンナップを受け、なかなか評価が高かったようだ。が、その後継となったジュークNISMO RSは、さらに段階の進んだチューンナップが施されている。

車体の補強に至るまで、細部に渡り手が入る高度なチューニング

日産 ジューク NISMO RS 試乗レポート/嶋田智之

まず最も基本的な部分から述べるなら、車体である。フロアのクロスメンバー、Cピラーの内側、リアシートの後ろ側のブラケットなど、車体の様々な部分に補強を入れることで、ボディ剛性を向上させている。こればかりは街のチューニング屋さんではまず無理、レーシングカー専門のボディ屋さんでなら可能かもしれないけど莫大な予算が当然のように請求される作業であり、つまりは自動車メーカーとその直系だからこそできるチューンナップということができるだろう。

パワーユニットはベースとなった16GT FOURと同じ1618ccの直列4気筒DOHCターボながら、190ps/5600rpmと24.5kgm/1600-5200rpmから214ps/6000rpmと25.5kgm/2400-6000rpmへと大幅に向上させながら高回転化を図り(ちなみに先代ジュークNISMOは200ps/6000rpmと25.5kgm/2400-4800rpm)、トランスミッションはマニュアルモードを8速としたパドルシフト付きのCVTへとグレードアップ。

単なるポン付けじゃない! 共同開発された専用チューンのレカロシート

日産 ジューク NISMO RS 試乗レポート/嶋田智之

シャシー周りでは、ALL MODE 4×4-iのトルクベクトル機能の駆動力配分を出力の向上に合わせて変更し、ダンパーやバネ、リンクに至るまでのサスペンション全体のチューンナップはもちろんのこと、フロントローターの大径化やリアローターのベンチレーテッド化といったブレーキの強化、そしてレスポンスを重視しての電動パワーステアリングのセッティング変更も行っている。

また、レカロに専門のエンジニアをつけてもらって共同で開発した、NISMOモデル専用のリクライニング式バケットシートが標準で備わってもいる。

まだまだ他にも変更箇所はたくさんあって、走りにとって重要な部分にはほとんど全面的に手が入ってるといえるほど。その手間のかかり具合は、並大抵ではない。

[ノーマルとの走りの違いは!?・・・次ページへ続く]

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嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

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