放映開始40周年記念! 刑事ドラマ「西部警察」ファイナル&限定DVD-BOXをもっとマニアックに楽しむ!【後編】
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:茂呂 幸正/MOTA編集部/株式会社石原プロモーション 製作著作:株式会社石原プロモーション 取材協力:ポニーキャニオン
西部警察放送開始40周年を記念して発売された「西部警察 40th anniversary コンプリートDVD-BOX<ファイナルエディション>」。前編では、これを買わないと手に入らないスペシャルな特典内容を中心にお届けしたが、後編は西部警察を含め昭和の刑事ドラマをこよなく愛する筆者(山本シンヤ)が、実際に手に入れた際の(ちょっとマニアックな!)活用法を紹介したいと思う。
城西警備保障…反応したアナタは立派な西部警察マニア
西部署管内の民間警備や現金輸送などを手広く扱う警備会社だが…
まず「西部警察 40th anniversary コンプリートDVD-BOX<ファイナルエディション>」のDVD-BOXと全ての特典グッズの収納ケースに改めて注目したい。言わずと知れた、現金輸送に用いるあのジュラルミンケースを忠実に再現した逸品だ。
これを見て思い出すのは、西部署管内にある警備会社「城西警備保障」だろう。銀行/宝石店などの防犯警備に加えて、大手企業の給料運搬、スーパーから競馬場、キャバレーチェーンまで、高額な売上金の回収など手広く扱う。西部署管轄に路線を持つ城西交通と並び、日本で最も事件に巻き込まれる確率が高い民間企業で、殉職率も驚くほど高い。
>>往年の名シーンも! 「西部警察」の全てを画像で見る[フォトギャラリー]
DVD-BOX でしか手に入らない“城西警備保障グッズ”!?
このセットをプロデュースしたポニーキャニオンの内海氏は、そんな西部警察にはなくてはならない名わき役に光を当てるべく、解る人なら思わずニヤッとしてしまうプラスαを仕込んでいる。
例えば、現金プリントのタオルの札束は城西警備保障の帯付き、更に「ボイスラバーストラップセット」の団長のセリフの一つに「城西警備保障?」と語るシーンが収録されているのだ。どの回か? それはDVD-BOXを見て探し当てて欲しい(笑)。
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現金輸送車が空を跳ぶ!?
そんな城西警備保障が最もフィーチャーされたストーリーは、西部警察パートI 第10話「ホットマネー攻防戦」だ。造幣省(※番組上での架空設定)印刷局東京工場で襲撃された現金輸送車が、芝浦ヤナセ前の大カーチェイス→江東区辰巳で大ジャンプ!と言うシーンが有名(このシーンは後のオープニングでも使用)。
また、パートI 第38話「消えた大門軍団」は、城西警備保障の現金輸送車襲撃事件がストーリーとなっている。
ちなみに城西警備保障の現金輸送車にはいくつかの仕様があるようで、基本は白+黒ストライプ仕様(ロゴは有/無がある)だが、シルバー+青ストライプ仕様も登場している。
配信で観るか、DVDで観るか!? コアな西部警察ファンならもう迷うことなく…!
ちなみに2020年1月現在も、西部警察はCS放送「ファミリー劇場」やYahoo!の無料動画サービス「GYAO!」、「Rakuten TV」のレンタルなど様々なメディアを通じて視聴が可能である。そんな中、この「西部警察 40th anniversary コンプリートDVD-BOX<ファイナルエディション>」を購入するメリットは?
ひとつ目は「いつでも、好きなタイミングで、好きなストーリー」を観ることができる事だろう。
ちなみに筆者は前作の放送開始35周年記念発売「西部警察 アルティメットコレクターズエディション コンプリート ブルーレイ」を所有しているが、同じく西部警察マニアであるT編集長とトークバトル(!?)前や、スーパーマシンたちの記事を書く時など、何となくうろ覚えで確証が持てないストーリーの確認用としても非常に重宝している。
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細部が気になり出すと何度でも観返したくなるのがマニアのサガ
ガゼールにマシンX、RS…あのスーパーマシンたちの細部が気になる!
DVD-BOXを購入するメリット、ふたつ目は「普通に見ていると見逃していた細部のチェック」だ。
放送当時はストーリーを追うので精一杯だったが、改めて冷静に観ると、これまで見えていなかった物が見えてくる(笑)。要するに書籍の“行間を読む”感覚である。
例えば、木暮課長の愛車「ガゼール」(オープンカー)は、基本はオープンで使われていたが、2回だけ屋根(丸ごと着脱する簡易的な幌)が付いている姿が見ることができる。パートI 第5話「爆発5秒前」では木暮課長が入り浸るバー「コーナーラウンジ」前に路駐するシーン。またパートI 第11話「燃えつきた獣たち」では幌付きのまま走行する貴重なシーンが確認できる。
他にはパートI 第45話「大激走!スーパーマシン」で登場したスカイライン ジャパンターボがベースの「マシンX」は、ゴールドのカンパニョーロのマグネシウムホイールが装着されているが、一時期だけ銀色のバナナスポークのアルミホイールに変更されている。
実は59話からスポンサーに共豊産業(後の共豊コーポレーション)とエンケイがスポンサーになった事による変更だが、わずか4話で元に戻されている。そんなレアなスペックを改めて確認できるのだ。
更にレアなのだと、パートIII 第16話「大門軍団フォーメーション」で3台のRS軍団が登場するが、その前にチラッとデビューしているのをご存じだろうか?
パートIII 第14話「マシンZ・白昼の対決」の富士スピードウェイでのシーン、富士スピードウェイ西ゲートに到着したシーンはマシンRSだが、大門と深町の対決をピット裏で待つ軍団の横にいるのは、なぜかマシンRSではなくデビュー前のRS-2(フロントのエアアウトレットとサンルーフでバレバレ……)なのだ。僅かなシーンなのでシッカリ見ていないとスルーしてしまう……。
激レアなルノーに117クーペ!? 日産車以外のクルマたちにも注目!
ドラマ「西部警察」のスポンサー(車両協力)はシリーズを通して日産自動車で、犯人車や破壊車も含め、登場するほとんどの車両が日産車で統一されているが、時々違うメーカーの車種が出てくるレアなケースも確認できる。例えば、パートI 第21話「汚い奴」では、今では貴重なルノー8(それも赤に再塗装)が多重クラッシュの餌食に……。また、パートIII 第43話「走れ一兵!成田発PM3」では、こちらも貴重ないすゞ117クーペ(しかも初期のハンドメイド)を爆破させてしまうなど、「えーっ(泣)」と言うシーンも。
更にやられキャラではないが、何度も登場する他メーカーのモデルも。例えば、モスグリーンの2代目マツダ コスモやシルバーの初代SA22C型RX-7、黄色のVWビートル(エンケイメッシュアルミ装着)、紺色のCJ7ジープなどを良く見かけた。今思うと、劇用車が足りずに石原プロやスタントマンら番組制作スタッフのクルマをそのまま使用したのではないか? と推測。そんな一瞬しか現れないモデルの出演シーンをチェックするのは、やはりDVDでないと……ね。
幾多の名シーンを生んだあのロケ地がどこだったのか、DVDで再確認するのが楽し過ぎる!
40年近く経った今でも、まだあの頃のまま都内に現存するケースも
そして3つ目は「ロケ地のチェック」である。
西部警察を見ていると、様々な所にロケ地のヒントが隠されている。それを元にGoogleマップで検索していくと、東京の街並みの変貌がよく解る。
例えばパートI 第26話「友情の捜査線」では、二宮係長が渋谷区恵比寿南に一軒家を所有していることが解る(なぜわかるのか、詳しくはDVD-BOXをご覧あれ)のだが、「西部署の給料はヒラは安いが、係長は意外と給料いいのね」と感心(笑)。
いっぽう、パートI 第10話「ホットマネー攻防戦」での造幣省印刷局東京工場や、38話「遥かなる故郷」の武蔵野刑務所として登場する立派な赤煉瓦の門のロケ地は、何と今も都内某所に現存する防衛庁施設だったりする。たまたま前を通りかかったときに見つけたのだが、よくもまあそんなところであんなにも派手なドンパチシーンを撮ったものだと(汗)…。
木暮課長が入り浸る“カド屋”のロケ地はどこ!?
またパートIでは主に課長の憩いの場であった「コーナーラウンジ」が港区南青山付近、パートII/IIIで軍団憩いの場であった「セブン」の場所は今のテレビ朝日前(港区六本木付近)と、意外な所にある事も、ほんのわずかなシーンに映る細かなヒントで、どうにか確認することができるのだ。これもDVDで全話チェックしていくと答えが見つかる…はず。
ロケ地探訪動画はこちらから
23区内の所轄のはずなのに、千葉や神奈川でのロケも
と、ここからはちょっと意地悪な鑑賞法。西部署の所轄は東京23区内のはずなのに、都下の多摩地区や神奈川、千葉、埼玉など、都心近郊のロケ地も頻繁に登場する(笑)。
港区芝浦のふ頭シーンのはずなのに、しっかり映り込む横浜のマリンタワーを見つけるのは初級編。2回目3回目の視聴では、背後に映る丘陵地帯、港や河川の雰囲気、ちらっと見切れている路線バスやタクシー(都心には乗り入れないローカルなカラー)などから、「あーここはもしかして!」と膝を叩けば、アナタもすっかりロケ地探しの虜になっているはず。撮影時はまだ建設中だった団地の敷地や幹線道路などに赴き、「ああ、こんなところでセドリックを横転・爆発・炎上させちゃったのか!」「団長がショットガンを撃ったのはこの路上か!」などと団長気分で煙草をふかしつつ、脳内エンディングシーンを再現することだって可能なのだ(笑)。
日本縦断ロケの撮影現場、さらにはパリのロケ地まで探しに!
ちなみに筆者はフランス・パリモーターショーに取材に行った時に、最終回「大門死す!男達よ永遠に…」冒頭のパリロケ、国際テロリストのボスであるガストン・レグレスが射殺された場所の近くまで、当時の映像をヒントに赴くことができた。
ロケで山形県酒田市を訪れた際には、もちろん!酒田港に赴き、パートIII 第23話「走る炎!!酒田大追跡 -山形篇-」で激しい戦闘シーンを繰り広げた現場をくまなく調査したのは言うまでもない(笑)。
「そんなに繰り返して観て、何が楽しいの?」と言う人もいるが、何度も観るから新しい発見がある。筆者も西部警察パートI~III全236話は何度も繰り返して観ているが、今も「あーっ、そうだったのか!!」と勉強になる事も多い。
そんな楽しい“西部警察研究”のために活用できることを思えば、11万1111円(税抜)は決して高くない!
[筆者:山本シンヤ(自動車研究家)/撮影:茂呂 幸正/MOTA編集部/株式会社石原プロモーション/製作著作:株式会社石原プロモーション/取材協力:ポニーキャニオン]
DVD-BOXの特典を徹底解説!【前編】
団長(渡哲也)率いる“大門軍団”の刑事達と、それを見守る木暮課長(石原裕次郎)が、極悪な犯罪に立ち向かう姿を描く伝説のポリスアクションストーリー『西部警察』。そのシリーズ全話が「西部警察 40th Anniversary コンプリートDVD-BOX<ファイナルエディション>」として限定発売された。“ファイナル”の名の通り、DVDのコンプリート版はこれで最後! しかもファン垂涎の特典盛りだくさんだ。自動車研究家にして、昭和の刑事ドラマをこよなく愛する山本シンヤが“ファイナルエディション”を徹底解説する!
商品概要
■名称:西部警察 40th Anniversary コンプリート DVD-BOX ファイナル エディション
■発売日:2019年10月14日
■収録内容:西部警察シリーズ PARTI~III 全236話 DVD×60枚(コンパクトDVD-BOX×6セット)
■収録分数:1万698分(約178時間)
■品番:SCBP.52
■価格:11万1111円(税抜き)
■発売元:株式会社ポニーキャニオン
■製作著作:株式会社石原プロモーション
※記事中のすべての画像:製作著作 株式会社石原プロモーション
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