BMWシュタイアー工場、最高の効率性を評価され「Fabrik2010」を受賞

2010年6月22日、BMWグループで最大のエンジン工場であるBMWシュタイアー工場が、オーストリアで最高の効率性を実現した製造拠点に贈られる「Fabrik2010」を受賞した。

今年から始まったこの賞は、オーストリアの業界誌とフラウンホーファー研究所(Fraunhofer-Gesellschaft, FhG)が主催している。

このコンテストにはオーストリア国内から約30の優れた製造拠点が参加し、構造分析、包括的なベンチマーク比較といった数段階の審査を経て、BMWシュタイアー工場が最高点を獲得した。

BMWグループの今日の成功の礎は、1960年にヘルベルト・クアント氏がBMWの筆頭株主の座に就いたことより始まった。ヘルベルト・クアント氏の生誕100年の誕生日にあたる2010年6月22日にこの賞が贈られたことは大変栄誉なことである。

Fabrik2010とは

「Fabrik2010」は、3段階の科学的な評価過程をもとに審査される。第1ステージは総合的なデータ資料(アンケート)をもとにフラウンホーファー研究所が審査し、審査に残った12社の拠点が終日、実地で調査される。この第2ステージでは、オーストリア、フラウンホーファー研究所の製造分野の専門家たちが12社を4日間にわたって分析し、それをもとに最終的に3社に絞り、6月22日に審査員たちの前で最終プレゼンテーションを行うという流れとなる。

Fabrik2010は、オーストリアで最も優れた製造拠点を称えることを目的としている。オーストリアのフラウンホーファー研究所所長であり、製造分野のエキスパートとしてFabrik2010の審査員を務めたヴィルフリード・シン教授は、次のようにコメントしている。「Fabrik2010では、製造拠点の効率性を可能な限り客観的に測定します。さらに、我が国の最優秀製造拠点を探し出すことが、総合的な評価モデルの活用につながります。産業・製造分野から参加したのはいずれも一流企業ばかりで、企業の分析は企業内全体のバリュー・チェーンに沿って行われました。」

一方、BMWシュタイアー・エンジン工場長、ゲルハルト・ヴェルフェルは次のように述べている。「このFabrik2010の受賞は、当社のたどっている道筋を意味するもので、特に昨年、当社の全てのスタッフが達成してきたことがいかにプロフェッショナルであるかを示すものです。今回の快挙は、高いノウハウを有し、強い意欲を持った当工場スタッフ各自の努力の賜物です。この場を借りて、スタッフ全員に感謝の意を表します。また、工場の労働組合との間で良好な協働関係を築いていることも、この成功のひとつの要因となっていると思います。当社は継続的にプロセスの見直しを行い、絶えず競争力を高めてきました。Fabrik2010の受賞は、当社の従業員全体で日々生み出す成果がいかに優れたものなのか、他の企業との差を明瞭に示してくれました。このような評価を受け、当社は現在の歩みをさらに突き進めて参ります。それが、当工場のさらなる成功を生み出すことになるのです。」

BMW Motoren GmbH(シュタイアー)

シュタイアーのBMW Motoren GmbHは、1978年に設立されて以来、BMWグループで世界最大のエンジン工場となっている。現在、BMWの4気筒および6気筒ディーゼル・エンジンと、BMWの6気筒ガソリン・エンジンすべてがここで生産されている。エンジンの生産台数として60万‐70万台を見込んでいたが、2009年にはおよそ71万3,000台のエンジンが製造され、2009年の売上高は約24億ユーロに達した。この実績により、BMWシュタイアー工場はオーストリア最大級の産業分野の企業のひとつに数えられている。シュタイアー工場はBMWグループの重要な技術拠点でもあり、ディーゼル・コンピテンス・センターでは数多くの開発エンジニアたちが、BMWディーゼル・エンジンの技術革新に力を注いでいる。

明確なビジョンが勝利を招く

リーン生産方式は、シュタイアー・エンジン工場にすでに溶け込んでいるシステムである。「この拠点は、清潔さと安全性を常に重視しています」と、工場長のヴェルフェルは説明する。2005年には従業員全体で工程の見直しを図り、効率を向上させている。また、5年計画で付加価値をもたらす製造システムへと全体的に転換すると共に、非常に野心的な目標を掲げている。「当社の目標として、世界一のエンジン工場になることを定めました。」、とヴェルフェルは自信を示す。

「2-Working days-Engine(エンジン1台を2日で完成)」

昨年度は、この目標に着実に近づいた。2009年は厳しい年だったものの、エンジン1台あたりのコストは継続的に低下し、製造サイクルに要される時間も劇的な削減が叶った。「2-Working days-Engine(エンジン1台を2日で完成)を実現できました。」と、BMW製造システム責任者、クレメンス・オイラーローレは語る。この合理化されたシステムの採用によって、BMWシュタイアー工場でエンジンが製造されてからドイツのBMW車両組立工場でエンジンが取り付けられるまでに要する時間はわずか48時間程度となった。これは、エンジンがジャストインタイムで納入され、その流れですぐに組み立てられていることを示している。

従業員の存在:成功への道

Fabrik2010の審査員たちは、シュタイアー工場のあらゆる分野において、付加価値をもたらす製造システムが終始一貫して継続的に導入されていることを高く評価している。透明性、連続性、コストおよび品質管理については最高点を記録したが、特に評価が高かったのは、BMWグループ最大のエンジン工場で働く従業員全体についてであり、彼らが成功のカギを握っている。「従業員たちが日々生み出しているのは、当工場の成功です。最高レベルのノウハウを有する彼らは物事に積極的に取り組み、自分たちの作業工程を改善すべく常に努めています。」とヴェルフェルは語る。つまり、他のBMW拠点と同じく、BMWのDNAを汲むシュタイアーの従業員は、ブランドの戦略を色濃く反映した製品とサービスを提供することによって、トップ・ブランドのクオリティを誇示し、BMWグループをプレミアム・メーカーたらしめる存在なのである。

オーストオーストリアのBMWグループ: 重要な経済的要因リアのBMWグループ: 重要な経済的要因

BMWシュタイアー工場がオーストリアで最高効率を実現した工場として評価されたことは、オーストリア国内においてBMWグループが特別な意味をもったということにほかならない。オーストリアにあるBMW関連企業の2009年の総輸出額は35億ユーロに達し、この額はオーストリア学術・研究省の年度予算に相当する。また、BMWグループは2009年に2億7,500万ユーロをオーストリアに投資し、1979年以降、BMWグループが拠点を置く地元経済への投資額はおよそ42億ユーロに達している。約2,900人の従業員とその家族がもたらす経済効果に加え、数多くのサプライヤーと事業パートナーも含め、BMW関連企業がオーストリア経済全体を活性化させている。またオーストリアのBMWグループは、最大級の自動車メーカーとしての社会的責任を自覚するとともに、さまざまな文化・社会活動にも積極的に参加している。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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