GMチャイナ、上海のアドバンスト・テクニカル・センターの建設に着工
米ゼネラルモーターズは、2009年にオープンしたGMチャイナ・アドバンスト・テクニカル・センター(GM China Advanced Technical Center)のコーポレートキャンパスの完成にむけて、現地時間の7月19日朝、建設工事を開始した。
同センターは、上海にあるGMチャイナ・インターナショナル・オペレーションズおよびGMチャイナ本社に隣接し、中国国内・国外のGMの先進車両デザインおよび技術的ソリューションの開発に取り組む。GMの世界的なエンジニアリングおよびデザインネットワークの一部として、世界最高の車を設計・製造・販売するというGMのビジョンをサポートしていく。
GMチャイナグループの社長兼常務取締役のケビン・ウエイルは、「GMチャイナ・アドバンスト・テクニカル・センターは、GMのグローバル商品開発戦略の不可欠な要素となって、先進技術の開発や、ターゲットエリアにおけるGMの包括的な研究を牽引していく。我々は、同テクニカルセンターが、GMにとって世界で最も重要かつ包括的なテクニカル/デザイン施設の1つとなることを期待している」と述べている。
GMチャイナ・アドバンスト・テクニカル・センターは、62のテストラボと、9つのリサーチラボを内包し、下記の4つのリサーチ/デザイン組織の拠点となる。
チャイナ・サイエンス・ラボ:2009年にオープンした研究所。5~15年後の応用につながる研究や技術開発に取り組んでいる。先進推進装置の研究・製造プロセスの研究・巨大都市におけるスマートトラフィックの研究・顧客主導型の先進車両開発・バッテリーセルの素材および製造の研究・軽量素材の研究を重点的に研究する。
ヴィークル・エンジニアリング・ラボ:中国市場向けに技術のローカライズを行う。電気自動車の試験および開発・代替エネルギー車両の研究・バッテリー技術に関する中国仕入れ業者との共同研究開発・先進技術とデザインソリューションを駆使したGMの中国国内ジョイントベンチャーとの共同商品開発を行う。
アドバンスト・パワートレイン・エンジニアリング・ラボ:電化技術・従来型パワートレインにおける石油燃料に代わる代替燃料・ローカル市場向けのユニークな従来型パワートレインを含む、先進推進装置に関する研究開発作業のほか、パワートレイン商品のための新素材の開発および試験を実施する。
アドバンスト・デザイン・センター:ローカルなニーズへの対応に重点を置き、GMのグローバルなデザイン資源を支える重要な役割を担う。デジタル視覚化センターや、視聴/展示のための安全な屋内屋外エリアなど、世界レベルの能力を備える。中国および各地域市場における自動車やファッション、その他のデザイントレンドに関する情報の収集・分析を行い、車両開発をサポートする。
GMチャイナ・アドバンスト・テクニカル・センターの建設は2011年末までに完成の予定。5年以内に、設計者、研究者、工学者、技術者など300名超の従業員を雇用する見通し。同施設は、上海のパン・アジア・テクニカル・オートモーティブ・センター(PATAC)や北京のチャイナ・オートモーティブ・エネルギー・リサーチ・センター(CAERC)など、GMが中国で展開しているエンジニアリングおよび商品開発におけるパートナーシップを補完していく。
ウエイル社長は、「GMは、グローバルな技術的リーダーとして、また中国における自動車産業のリーダーとして、明日に向けた車を開発すべく、中国政府、業界のパートナー、アカデミック組織と協力し、全力で取り組む所存だ。力を合わせることによって、持続可能な交通手段の到来や、ガソリン・ディーゼル車の環境法的式からの排除を加速させることができる」と述べている。
世界最大級の自動車メーカーであるゼネラルモーターズ社は1908年に設立された。本社をデトロイトに置き、世界の主要各地域で計205,000名を雇用し、約157カ国で事業を展開。GMは戦略的パートナーと共に、31カ国で乗用車およびトラックを生産し、ビュイック、キャデラック、シボレー、GMC、GM大宇、ホールデン、Jiefang、オペル、ヴォクスホール、五菱汽車の各ブランドを通して販売・サービスを提供している。GMは自動車メーカーとして、SAICと共に、2010年上海万博のグローバルパートナーを務める。
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