シトロエン、世界ラリー選手権(WRC)ヨルダンで優勝
シトロエン・トタル・ワールドラリーチームのセバスチャン・ローブとダニエル・エレナが、今大会の最終日となる3日目を制し、ラリー・ヨルダンで優勝を飾った。フランス出身のローブとモナコ出身のエレナのペアは今回の56回目の勝利により、ドライバーズタイトル争いでライバルに大きな差をつけることとなりました。ダニエル・ソルド/マルク・マルティのペアも4位に入り、シトロエン・トタル・ワールドラリーチームはマニュファクチャラータイトルでもリードを奪った。
チーム戦略がキーとなった最終レグ
4ステージで構成されるループ状のコースを2周することになる最終レグは、1日目、2日目と同様に厳しい展開が予想された。ここまででセバスチャン・ローブはヤリーマティ・ラトバラに27秒の差をつけたが、最初にスタートしたのは彼ではなかった。「セバスチャン・オジェを先に走らせ、道を掃除させることにした」。シトロエン・レーシングチーム代表のオリビエ・ケネルはそう説明すると、次のように力説した。「サービスパークで彼のマシンに技術的な問題が見つかり、表彰台獲得は難しかった。そこで、この作戦をとれば、セバスチャン・ローブの優勝確率が上がると考えたんだ」
ローブは4ステージ中3ステージで最速タイムを叩き出し、最速のドライバーであることを証明してみせた。死海のほとりに設けられたサービスパークに到着したとき、世界チャンピオンの栄冠を6度獲得したローブは、残るステージについても楽観的な見通しを持っていた。「もちろんチームの作戦のおかげで少しは楽になったが、本当に必要だったかといえば、ちょっとわからない。たしかにスタート順はヤリーマティの方が有利だったが、ギャップをさらに少し広げることは可能だったろう。とはいえ、こういう結果になったからには、午後のステージでは罠にはまらないように注意し、今回のラリーに勝つだけだ」
ローブ、ラトバラ、ソルベルグに続き4位につけていたダニエル・ソルドは、自分に何が期待されているのかを心得ていた。順位をキープし、マニュファクチャラータイトルのポイント獲得に貢献することだ。「午前は子猫のように忍び足で行くよ」。ソルドは冗談まじりに語った。「残っているステージには、まだいくつも罠が隠されているから、それほど簡単じゃない。ペター・ソルベルグはマニュファクチャラーポイントとは関係ないし、5位はずいぶんと後ろに離れているから、プッシュする必要はない。最後までこの調子で行くつもりだ」
過酷なコンディションで見せたC4のパフォーマンス
タイム差がかなり開いていたこともあり、最後の4ステージに大きなドラマはなかった。セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナにとっては56回目の優勝(異なるラリーを制したのはこれで21回目)。「こんな過酷なラリーに勝てて嬉しい。」表彰台に向かう前、そう言ってセバスチャンは微笑んだ。「ここまでの3戦で2回優勝できたことにより、ポイント差は25点に広がった。2番手のドライバーに対し、優勝1回分の差をつけたに等しいということだ。次のラリーにはそれなりにリラックスした精神状態で臨めるだろう」
ダニエル・ソルドとマルク・マルティが4位に入ったことで、シトロエン・トタル・ワールドラリーチームは、マニュファクチャラータイトルでもリードを奪った。チームクルーを応援するために現地を訪れていたシトロエンのジェネラルマネージャー、フレデリック・バンゼは、C4 WRCがこのラリーで見せたパフォーマンスの高さを次用に強調している。「灼熱の中、きわめて難しい路面コンディションに対処しなければならなかったが、今回もわが社のマシンは鉄壁の信頼性を発揮しました。クルーの迅速さと知恵がうまくかみ合い、シトロエンの名をさらに高める今回の結果が得られました」
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