日産 内田新社長・CEO就任 業績回復に向け新経営体制へ

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日産自動車は2019年12月2日、日産グローバル本社ギャラリーにて、1日付で社長兼最高経営責任者(CEO)に就任した内田 誠氏による会見を開いた。日産では、元会長であるカルロス・ゴーン被告の逮捕から混乱が起こり、不祥事の表面化や業績悪化が続いている。新社長である内田氏はどのように問題解決に取り組むのか、今後の体制や方針等について発表があった。

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  1. 3人が柱となる新経営体制について
  2. ルノー・三菱自動車とのアライアンスについて
  3. 今後の日産について

3人が柱となる新経営体制について

日産が2日に発表した新経営方針では、社長兼最高経営責任者(CEO)に内田 誠氏、最高執行責任者(COO)に三菱自動車のアシュワニ・グプタ氏、副COOに日産の関 潤専務執行役員がそれぞれ就き、3人による集団指導体制を取る。

3人の役割については、グプタCOOは今後の業績の回復を含めた事業全体を、関副COOは今年から始めた構造改革を引き続き行いながら、商品開発の責任を、そして内田氏は会社全体の責任をそれぞれ受け持つ。

「3人になると意思決定が遅くなるのではという懸念もあるだろうが、上記のようにクリアな境界を引くことで、むしろ意思決定のスピードを早くなる」と述べた。

内田 誠社長 兼 CEO「尊重・答弁性・信頼を大切にする」

「完成検査問題、脆弱なガバナンス、経営者不振によって業績低下を招いた。これらの問題について解決をしていくための体制を整えている。そして信頼の回復、業績の立て直しを図るなど基礎を実行に移し、形にしていくことが自分の役割。

大切にしているのは『尊重・答弁性・信頼』の3つ。

ルノーや三菱はもちろん、サプライヤー、販売会社など仲間を尊重し、社内外の意見を取り入れ、異論反論が許される会社風土を作っていきたい。このような考え方が企業に浸透するよう運営の見直しを図っていく。

目標設定において『出来ないことでも出来る』と言わせるような文化を作り上げたことなど、ハードルの高い目標設定を行う企業文化、メーカーが販売店に支払う販売奨励金(インセンティブ)による値引きに頼った販売方法など様々な問題点を改善する必要がある。

取締役会にはしっかりモニタリングをしてもらい、CEOとして会社の経営の舵取りを行う。業績の立て直しに関しては米国事業への対応や事業および投資などを着実に進めていく。

日産は新商品、新技術、インテリジェントモビリティなどにより着実な成長を図ってきた。今後もお客様第一を根幹とし、計画通りに商品開発を行い、魅力的なクルマを作り続ける。そのためにもアライアンスの活用を行っていきたい。」と述べた。

■カルロス・ゴーン氏について

カルロス・ゴーン氏の経営についてどう思うか?という記者からの質問に対し、内田新社長は「日産のリバイバルに向けての経営の考え方は間違っていない。ゴーン氏の問題については、経営の手法とは別のことだと考えている」と述べた。

COOアシュワニ・グプタ氏「日産の業績を着実に回復させる」

「新しいチャレンジはいつでもウェルカムというスタンス取る。自動運転やコネクテッドカーなど、お客様が持つクルマへの価値も変わって来ている。それらの価値を見定めていく。

また日産の販売についても見直しを図る。業績を着実に回復させるインセンティブに頼った販売ではなく、販売の質の向上させ、魅力満載の新車を登場させたい。2019年の下期は大切な仕込みの時期。トレンドに乗り遅れないよう、はっきりと意思決定をしていきたい。それが日産の業績回復へ近道となる。」とグプタ氏は述べた。

副COO 関 潤氏「売る・作る・経営層にある大きな隔たりを解消する」

「売ることの難しさを経験してきた。商品の投入の遅れ等が売る現場にどれだけ影響をあたえるかなどを理解している。先ずは売る・作る・経営層に大きな隔たりを作ってしまった現状を改善すべく努力していく。」と述べた。

ルノー・三菱自動車とのアライアンスについて

懸念されるアライアンス3社の経営統合について内田氏は「アライアンスは日産にとって重要な競争力。アライアンスのシナジーを通じて日産は成長してきた。いままでのアライアンスについて分析・見直しを行いつつ、日産・ルノー・三菱自動車の売り上げ、利益があがるように部品・車種などの共用化を図るなど体制を整えていく。現時点では経営統合について話をしていない」と述べた。

今後の日産について

今後の日産が進む道について内田氏は「主力の米国市場では販売店へのインセンティブの削減等の取り組みにより販売台数が減少した。こちらについても現在状況は向上してきているが方向性を定め、改善に取り組んでいきたい」と方針を示した。

また国内市場については「国内市場は日産にとって重要なマーケットで、日産を起因として日本市場に影響を与えている責任を受け止め、信頼の回復に努め、日産に乗りたい・買いたいと思ってもらえる改革を進めていく」という。

長期的なビジョンについては現在社内で協議中だというが「CASEやMaaSなどクルマ社会の変化に対応していく。またEV、e-Power、日産・インテリジェント・モビリティなど日産が世界をリードできる技術をいかに伸ばしていけるかを使命とし、アライアンスという日産の強味を活かしながらグプタCOO、関副COOと共に、日産をさらに良くしていくために論議を尽くしていきたい」と内田氏は述べた。

失われた信頼と業績の回復が求められるなか、内田新社長はこの難局をどう乗り越えられるか試されている。

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筆者MOTA編集部

MOTA編集部。編集部員は、自動車雑誌の編集者やフリーランスで活動していた編集者/ライター、撮影も同時にこなす編集ディレクターなど、自動車全般に対して詳しいメンバーが集まっています。

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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