フェラーリ・レッドなどフェラーリが生み出してきた様々な色の歴史を紹介
ガッレリア・フェラーリ、「ノン・ソロ・ロッセ(NON SOLO ROSSE)」展を開催
フェラーリの博物館「ガッレリア・フェラーリ」では、フェラーリの歴史やこれまで生み出してきた数々のモデルの色をテーマとした特別エキジビション「ノン・ソロ・ロッセ(Non solo Rosse)」を開催している。このエキジビションでは、フェラーリの特別な車と画家エンツォ・ナーゾ氏の作品、徹底された解説を通じて、フェラーリのロードカー・モデルとレーシング・マシンの両方が象徴する色について、その進化を紹介している。
フェラーリ・レッドの世界に関する展示は、1947年に製造された初のフェラーリのロードカー「125S」とレーシング・マシン「F2008」から始まる。そして、20世紀初頭からイタリアのレーシングカーの公式カラーとなった、1950年代の初代ロッソ・グラナータ(深紅色)に続き、フェラーリを国際的な羨望の的にしてきたロッソ・チェリー、チーナ、コルドバ、ディーノ、ルビーノ、そして「F2007」に採用された最新のメタリックバージョンの赤まで、様々な色調の赤を紹介。中には、2003年に探査機マーズ・エクスプレスに乗って赤い惑星として知られる火星に送られたロッソ・コルサの塗料が入ったガラス容器の展示もある。このロッソ・コルサはF1のレーシング・マシンに採用されている色でもある。
「ノン・ソロ・ロッセ」というエキジビションのタイトルは「赤だけではない」という意味だが、そのタイトル通り、ブルー・ツール・ド・フランス(青)にビアンコ・エーヴォ(白)をあしらった特別モデル「FXX」や、アルジェント・ルーナ(シルバー)の1959年「400スーパーアメリカ」(ジャンニ・アニェッリのためのワンオフモデル(世界で1台限定のモデル))、3層塗装ジャッロ・モデナ(黄色)の最新フェラーリ・モデル「458イタリア」など、魅力的なコレクションも展示している。
さらに、中国人アーティストのルー・ハオ氏による試作モデルも展示。ルー・ハオ氏は、非常に個性的な宋王朝時代の哥窯の青磁に見られる、ひび割れたような釉薬を模して作った特殊塗料を用いて、世界で1台限定の「599」(製品名:「599GTB Fiorano China Limited Edition」)をこのほど完成させたアーティストである。また、イタリアのオムニバス映画「世にも怪奇な物語」の3つあるエピソードのうちの1つ、フェデリコ・フェリーニ監督による「悪魔の首飾り」に登場する「フェラーリ 330 LMB」をモチーフに、ピニンファリーナのワンオフモデルに使用されたフェラーリのオーロ(金)の塗料の制作に至るまでの試作色と、この映画で使われている車を描いたエンツォ・ナーゾの絵画も展示している。
そして、フェラーリ車をカスタマイズする際にオーナーが選択する内装用の革やステッチの色とともに、1台1台の車を特別なものとする新たなワンオフ・プログラムについても紹介し。カー・コンフィギュレーターを利用して、フェラーリのオフィシャル正規ディーラーと同じプロセスで「自分だけ」のフェラーリを作りあげることも可能である。
本展の最後には、マラネッロでの塗装工程を詳しく解説。ここでは、ヨーロッパで最も先進的な塗装施設であるペイント・テクノロジーズ・パビリオンのモデル展示や、塗装工程の様々なステージを網羅したビデオ上映、電気泳動塗装から最終仕上げまで塗装作業の実例を紹介している。
特別展「ノン・ソロ・ロッセ」は、2009年10月31日~2010年4月30日まで、アブダビにあるフェラーリの博物館「ガッレリア・フェラーリ」にて開催。
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