三菱、木材原料の樹脂を用いた自動車部品を開発

カップ型灰皿(試作品)

三菱は、独自の植物由来樹脂技術「グリーンプラスチック」の第4弾として、スギの間伐材を主原料とする射出成型可能な熱硬化性樹脂材料「液状化木材フェノール樹脂」を開発し、本年7月1日よりカップ型灰皿として製品化する。なお、木材を原料とする耐熱性の高い熱硬化性植物由来樹脂の自動車部品への応用は、世界初である。

今回開発した樹脂材料は、白石信夫京都大学名誉教授の発明した木材の液状樹脂化技術を利用している。本技術は、用途が限定的なスギ間伐材等の付加価値向上や、今まで主に焼却して熱エネルギーとして利用されてきた製材所や家具工場等からの廃材・木粉の有効利用につながり、国内山林再生の一助となる可能性がある。

三菱は、この技術の自動車部品への応用を目的に、アグリフューチャー・じょうえつ株式会社(白石バイオマス複合材料化学研究所)、パナソニック電工株式会社と共同で研究・開発を進め、液状木材樹脂に各種充填材や硬化剤等を配合し、耐熱性・難燃性など自動車部品の高い要求仕様に適合する樹脂材料の開発に成功。最初の実用化となるカップ型灰皿では、株式会社今仙電機製作所の協力を得て部品成型した。

本材料は耐熱性が高く、これまで石油由来のフェノール樹脂材料を用いてきた灰皿やエンジンルーム内の耐熱樹脂部品(オイルフィラーキャップ、断熱材、プーリーなど)への応用のほか、電気絶縁性も高く、モーター等の電気部品への応用が期待できる。

なお、カップ型灰皿の本材料使用部位において、ライフサイクル全体(原料採取から廃棄まで)でのCO2排出量を試算した結果、従来品と比較して約16%の削減を達成した。

三菱は、地球温暖化や石油資源枯渇への対策を目的に、自動車部品に広く使用されている石油由来樹脂の代替策として「グリーンプラスチック」の研究・開発を推進している。今回の「液状化木材フェノール樹脂」や、既に製品化した「PLA繊維フロアマット」「PTT繊維フロアマット」「竹繊維PBS内装部品」の他、様々な技術開発を進め、順次実用化を目指す。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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