ロールス・ロイス初のコンセプトカーが凄すぎる!100年後はハンドル不要!?(画像32枚)
実用性や機能性の追求ではなく、全自動運転ながらも妥協のないオーダーメイドの独自仕様
ロールス・ロイス・モーター・カーズはロンドンにて、世界に向けて「Future of Luxury (未来のラグジュアリー)」として、103EXのコードネームで開発を進めてきた同社初となるコンセプトカー「ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト 100」を発表した。
このコンセプトカーは、BMWグループが2016年3月7日ミュンヘンにおいて、100周年を記念した「THE NEXT 100 YEARS - 胸躍る未来へ、加速する。」に伴い発表した4つのビジョンのうちの一つである。2016年は、BMWグループが100周年を迎えるだけでなく、ロールス・ロイス・モーター・カーズの歴史においても大きな転換の年となる。
ロールス・ロイスにとって、愛好家から「ベストカー・イン・ザ・ワールド」(世界最高の車)と評されていた第7世代「ファントム」の生産を終了することは、BMWグループの傘下となって始まったブランドの再生の第1段階が完了したことを意味する。「ファントム」、「ゴースト」、「レイス」、そして現在の「ドーン」の成功が、大胆な展開を見せる新たな章の基盤となる。
「ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト 100」は、未来のラグジュアリーを徹底的に追求したクルマである。
未来のラグジュアリー・モビリティのビジョン
デザイナーたちは、「ロールス・ロイス ビ ジョン・ネクスト 100」という洗練された解の基礎となるだけでなく、未来のラグジュアリー・モビリティ全体を象徴する、4つの基本原則を選定した。
(1)パーソナル・ビジョン
「ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト 100」は、将来のロールス・ロイスが提案し得る多数のパーソナルビジョンの一例に過ぎない。実際、現在のロールス・ロイスのビスポークプログラムがさらに進化すれば、ユーザーの好みが所有するデザインや構成にそのまま反映されるようになるだろう。
過去に優れたコーチビルドカーを生み出してきたロールス・ロイスは、この精神の下、未来型のシャシーや、手作業による最先端素材の加工、排出ガスゼロのパワートレインによる駆動などを実現していく。高度な製造技術により、ユーザーにはこれまで以上に、形状、サイズ、シルエットなどデザイン面において自身のロールス・ロイスに対するビジョンを反映させることができるようになる。
ロールス・ロイスは、ユーザーそれぞれのパーソナルビジョンをデザイン、製造し、その1台1台が他にはないオーダーメイドの逸品となる。
(2)エフォートレス・ジャーニー
新しい「ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト 100」には、オーナーに快適な未来の夢を実現する存在として、「ボイス・オブ・エレノア」が宿っている。「エレノア」はオーナーの生活のあらゆる側面や車周囲の環境とデジタルで接続されており、バーチャルなアシスタント兼運転手を務め、オーナーをあらゆる努力や負担から解放する。
エレノアは、乗車する人の出発準備が整うと、その人の待っている場所まで車を「移動」させ、次の目的地に向かいながら、到着に先立ってその人が「目的を果たす」準備ができるよう概況説明を行う。そして常に注意を怠らず、待ち受ける状況や環境を予め予測しながら、「エレノア」が乗車する人を安全に目的地まで送り届ける。
このエフォートレス・ジャーニーを、ロールス・ロイスの「マジック・カーペット・ライド(魔法の絨毯のような乗り心地)」がさらに強化する。マジック・カーペット・ライドは、未来の強力な排出ガスゼロの駆動系と、クルマがまるで路面をかすめ飛んでいるように感じられる高度なサスペンションの組み合わせが実現する。
(3)グランド・サンクチュアリ
「ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト 100」に足を踏み入れると、乗車する人はいにしえの国賓用の公式馬車のような完璧な優美さと荘厳さに迎え入れられ、ロールス・ロイス史上最も居心地の良いシートに収まる。未来的ながら手作業で仕上げられたラウンジのような雰囲気に包まれ、コーチドアとクラムシェル式キャノピーがすべるように閉まると、邪魔するもののない静かでラグジュアリーな空間が出現。
コックピットやハンドルももはや不要になるため、シートからの眺めを邪魔するものがなくなり、空間がより広く感じられる。エレノアはキャビンのフロントウォールを占める透明なOLEDスクリーン上にビジュアルキューを表示する。車中の人は移動、目的地およびこれから会う予定の人々に関する情報を見ることができる。車中においてはまた、外界を遮断して、しばらくの間お気に入りのショーを楽しむこともできる。
(4)グランド・アライバル
「ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト 100」の象徴的かつ堂々とした未来的な姿は、これに乗る人々のグランド・アライバル、すなわち威厳のある到着を約束する。未来のラグジュアリーを力強く表現しながらも、真のロールス・ロイスらしさを象徴する佇まいは健在だ。スピリット・オブ・エクスタシー、パンテオングリル、ロングボンネットなど、車両全体の象徴的なプロポーションはそのまま採用された。
「ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト 100」のサイズそのものが、その高級車の重要性を表している。全長5.9メートル、全高1.6メートルの車体は、現在のファントム・エクステンデッド・ホイールベースとほぼ同じサイズだ。
一方、これまで変わることのなかったスピリット・オブ・エクスタシーは身長が高くなり、1920年代の豪華なファントムを彷彿とさせる。現在最高の欧州ガラスメーカーが手作業でつくり出したスピリット・オブ・エクスタシーが、未来のラグジュアリーに向かう道筋を明るく照らしている。
ロールス・ロイスとグランド・アライバルの演出
国賓用送迎車の時代、そして初期のコーチビルドのリムジンの時代にも、人々はその名声にふさわしい到着が保証されていた。これまで見てきたように、こうした乗り物のエクステリアデザインと装飾が、これに乗る人物の重要性を表す。ラグジュアリーなインテリアも同様だ。
同車のグランド・アライバルはまず、車の正面から極めて優美なこの世のものとは思えない輝きを放ちながら、きらめくスピリット・オブ・エクスタシーとパルテノングリルによって、合図がもたらされる。この未来のビジョンを具現化した車は目的地に向かって素早く進むため、この上なく優美な輝きがフロントのホイールアーチ後縁からシングルコーチドアの後部に広がり、何か重要なことがもうすぐ起ころうとしているという合図となる。「ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト 100」が優雅に停止すると、辺りに荘厳な雰囲気が満ち溢れる。
車の左側がヒンジで動き、ガラスキャノピーが持ち上がり、乗車する人が立ち上がれるようになる一方、上部と背後は守られている。その後、その人が苦も無く動くと、シングルコーチドアがすーっと開き、ランニングボードの下からステップが現れる。最後の華やかな演出として、ステップの下側からレッドライトが投射され、歓迎の意を示すレッドカーペットが敷かれたようになる。
ロールス・ロイスデザインチームを率いるジャイルズ・テイラー氏は、「ロールス・ロイスのグランド・アライバルの演出によって、大切なお客様が最終目的地に到着したときに、彼らのためのステージが創り出されます。真のラグジュアリーブランドの可能性とお客様の望みの本質を私たちが理解していることがここに現れています」とコメントした。
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