「ディーゼルが環境に悪い」と、レッテルを貼られた「東京都ディーゼルNO!宣言」から早9年。その一方で、欧州では軽油が自動車燃料の中でも燃費効率に非常に優れ、CO2排出量が少ないことが評価され、「クリーンディーゼル車」の普及が進んでいる。そんなクリーンディーゼル車を広く一般の人に知ってもらおうと「東京クリーンディーゼル体感フェア」が1日(火)、東京お台場で開催された。
オープ二ングでは、慶応義塾大学大学院教授 金谷年展氏や、俳優・気象予報士としても活躍中の石原良純氏らによるトークセッションも行なわれ、ディーゼル車の魅力をもっと多くの人に知ってもらおうと訴えかけた。
クリーンディーゼル連絡会のメンバーでもある金谷氏は、「一度ディーゼル車に乗ってみればわかります。これまでの悪いイメージが吹き飛ぶはずです。ヨーロッパでディーゼルが支持されるのは、多くの人たちが環境に対して高い意識を持っているということもありますが、実は乗ると病み付きになるということが一番の理由なのです。またユーザーがディーゼル車を潜在的に求めているということも挙げられます。海外に限らず、近く日産自動車も年内に次世代ディーセル車を国内投入すると表明しております。これを機にディーゼル車に触れるチャンスが広がれば、世論は一気に盛り上がることでしょう。」とコメントを残した。
一方、石原良純氏はこの日試乗車として用意されていた、クリーンディーゼル乗用車“メルセデス・ベンツE320 CDI”に乗り「確かに僕もディーゼルというと環境に良くないイメージが強かったんです。でもいざ乗ってみると、音も振動も普通のガソリン車と全然変わらないですよ。しかも動きがあまりにスムーズで驚いています。もはやガソリン車と乗り比べた時に、何の違いがあるかなんて判らないですよ。」と、最新のディーゼルエンジン車に付いて驚きを隠せない様子であった。
日本国内のディーゼル車の需要はなんと全体の0.1%に過ぎず、いわば絶滅寸前といっても過言ではない状態。しかしディーゼル車の高い人気を誇る欧州では、2007年度自動車販売比率の53.6%も占め、市場の過半数を席巻する程までに普及しているのだ。
かつてのディーゼル車は「うるさい」「汚い」「環境に悪い」等と、まさに公害そのものといった類いではあったが、それはそれで間違いではなかったのも事実。石原都知事による「通行人はこの真っ黒いものを吸い込んでいる」と、ケースに入れられた黒い粉塵を振って見せるアクションは、後に排ガス規制の強化や国内メーカーの撤退など、シェアが急激に縮小していった発端となった光景だ。しかし1990年代後半から登場するクリーンディーゼルと呼ばれる、次世代ディーゼルエンジンは、これを盛り返す形となる。この次世代ディーゼルエンジンは主に、CO2の削減、燃費経済性の向上、地球温暖化対策への貢献といった、今最も必要とされる分野への展望が期待されているからだ。
最後に、今回は洞爺湖サミット目前ということもあり、まずは東京都においての「YESクリーンディーゼル!」が高らかに宣言された。これを機に環境保護に対して、より多くの人が関心を寄せてくれることを願う次第だ。
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