フォルクスワーゲンは、次世代ターボディーゼルエンジン「Blue TDI」を北米市場向けに開発し、量産モデルを発表した。
コモンレール式エンジン「Blue TDI」は、2007年にヨーロッパで初めて「ティグアン」に搭載されたエンジンをベースに開発され、2009年に有効となるユーロ5排ガス規制値をクリア。4気筒エンジンとなる「Blue TDI」は、米国における使用を考慮して、燃焼室内の改良及びNOx吸蔵触媒が追加された。
カリフォルニアを含む米国の5つの州1では、BIN5/ LEV2という世界中で最も厳格な排ガス規制がある。米国では、燃料品質の地域差はヨーロッパ以上に大きいにもかかわらず、新型「Blue TDI」はこの厳しい排ガス規制をクリアした。
BIN5/LEV2では、NOx排出量は0.05g/マイル以下と定められているため、「Blue TDI」(2.0L,103kW/140PS,320Nm)の開発において、特に重視されたのは、窒素酸化物(NOx)の低減である。エンジン内の主な改良は、欧州仕様のTDIに採用されていたインジェクターデザインの最適化、そしてシリンダープレッシャーセンサーの採用である。これらのセンサーは全く新しいシリンダープレッシャーに合わせた燃焼制御を可能とする。制御自体は従来より素早く、各気筒毎に行われる。それに加えて、最適化された高圧噴射ポンプが新たに導入され、高圧EGR(排ガス循環)システムが低圧EGRシステムと組み合わされた。この世界初となる二重のEGRシステム(デュアルサーキットEGR)は、エンジン内で窒素酸化物を削減する最も有効な方法で、総削減分の60%は、このデュアルサーキットEGRによるものとしている。
エンジンの外部では、酸化触媒やDPFの下流側に設置されたNOx吸蔵触媒が、最終的に窒素酸化物を最小限まで減らし、排ガスに含まれる窒素酸化物を90%ほど低減させる。
この夏に予定されている、初めて同エンジンを搭載する、新型「ジェッタ Blue TDI」。高速道路を走行した場合、燃費は60マイル/ガロン2まで伸びる。この数値は出力がより低く、エミッションがより多かった前モデルと比べても、12%も増加している。世界中の同セグメントの中で、最もクリーンかつ最高の燃費効率を可能とするクルマとなるに違いない。
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