VW、ポロ R WRCがラリー・スウェーデン4連覇を達成
2016年世界ラリー選手権(WRC)第2戦「ラリー・スウェーデン」が、2月11日(木)~14日(日)に、ノルウェー国境に近いヴァルムランド地方の「カールスタッド」を中心に開催され、フォルクス ワーゲン・モータースポーツのセバスチャン・オジェ選手(フランス)がポロ R WRCを首位に導いた。
チームメイトのアンドレアス・ミケルセン選手(ノルウェー)は、表彰台に迫る4位、ヤリ-マティ・ラトバラ選手(フィンランド)は、サスペンション損傷でリタイアした後、競技二日目から再スタートして完走した。
フォルクスワーゲンは、2013年から続くこのラリーの連勝記録を4に伸ばし、ポロ R WRCは、これで全41戦中36勝となった。
「ラリー・スウェーデン」は、WRC唯一のスノーイベント。昨今の暖冬のために昼間気温が0℃を上回り、グラベル(非舗装路、砂利道)が露出する区間が多く、一時はラリーの開催が危ぶまれた。主催者は、複数のスペシャルステージ(SS:競技区間)をキャンセル、当初の22SSから13SSに減らすとともに、24時間体制で整備を行い、開催に漕ぎ着けた。これに伴い、SS距離は331.21kmから241.48kmに短縮された。
「ラリー・スウェーデン」は、「ラリー・フィンランド」と並ぶWRC屈指の高速イベントで、その秘密はスタッド(スパイク)タイヤにある。スタッドが雪の下にある硬く凍った路面に刺さってグリップを発揮するため、状況に合わせてスタッドを選択しなければならない。
また、全開走行や雪のない路面の走行を続けるとスタッドが失われるので、クルーによるタイヤ管理も重要な戦術となる。
2016年第2戦は、2月11日夕刻、カールスタット馬術競技場のセレモニアルスタートで正式に幕を開けた。デイ2のSS距離は、全体の約5割を占める118.36km。トリッキーな路面状況にもかかわらず、オジェ選手は26.9秒の大量リードを稼ぎ出し、優位に立った。
デイ3では、夜間に降っ た新雪の除雪役となるハンディを負いながらも首位を堅持。ボーナスポイントの対象となるデイ4のパワーSSでトップを記録し、ディフェンディング・チャンピオンらしい走りでこのラリー3勝目、通算34勝目を獲得した。
初日のミケルセン選手は、同僚から遅れること42.0秒の6位ながらも、表彰台が狙える位置につけた。その後は気迫溢れる走りを見せたが、最終的に4位となった。ラトバラ選手は、初日リタイアとなったものの、ラリー2ルール(未完走SSをペナルティタイムに換算、持ちタイムに加算して翌日以降の再走を許可)によってデイ2 以降も競技を続け、スウェーデンで過去3勝をマークした実力を垣間見せた。
ポロ R WRCは、2015年ポルトガル以来、負けなしの11連勝を達成。WRC記録は、フォルクスワーゲンが持つ12となる。
タイ記録がかかる第3戦「ラリー・メキシコ」は、3月3日(木)~6日(日)に、メキシコ第5の都市レオンを中心に開催される。
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