日産、サンパウロショーで「Kicks Concept」を世界初公開

日産「Kicks Concept」

日産は、ラテンアメリカ最大のモーターショーである『サンパウロモーターショー2014』(プレスデー:10月28日~29日、一般公開日:10月30日~11月9日)にて、新コンセプトカー「Kicks Concept(キックス コンセプト)」を世界初公開した。同車は、都市型のコンパクトクロスオーバーで、日産が2年前に同モーターショーに出展した都市型スポーツカーコンセプト「EXTREM(エクストレム)」に続く、ブラジル市場向けにデザインしたコンセプトカーの第2弾となる。

全長が4,300mm、全幅が1,800mm、全高が1,600mm、ホイールベースが2,620mmとなっており比較的コンパクトなボディサイズで、デザインにも現実味が感じられる。

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ブラジル日産社長のフランソワ・ドッサ氏は「『EXTREM』は純粋なコンセプトカーでしたが、それに対し『Kicks Concept』は、将来市場へ投入する可能性を想定したモデルへと進化させ、デザインしたコンセプトカーです。魅惑的でインパクトの強い外観の『EXTREM』が、楽しさのみを追求していたのに対して、『Kicks Concept』は、今日のアクティブなブラジルの若い層が求めるタフネスや安全性も取り入れています。」と述べた。

実用性がありながらも、誇りを持って運転を楽しむことができるデザインに

日産「Kicks Concept」

「Kicks Concept」は、カリフォルニア州サンディエゴにある日産デザインアメリカ(NDA)と、ブラジルのリオデジャネイロにあるサテライトデザインスタジオ、日産デザインアメリカ・リオ(NDA-R)が共同で開発したモデルである。

日産自動車の専務執行役員・チーフ・クリエイティブ・オフィサーの中村史郎氏は「『Kicks Concept』プロジェクトは、日産のグローバルデザインネットワークによるクルマづくりの成功例です。私たちは、このコンセプトカーを作り上げるために、リオデジャネイロにある新しいデザインスタジオに、現地市場についての見識を求めました。異なるデザインスタジオを通した共同開発は、長年の日産の強みであり、ニッサンデザインを更なる強みへと導く重要な鍵でもあります。ブラジルにおける未来の都市型クロスオーバーセグメントに、斬新で、期待を超えるアイディアを探求し、表現することが出来ました。『Kicks Concept』は、『EXTREM』よりも成熟した思慮深いクルマとなっています。『遊び』ではない『走りの楽しさ』を追求しながら、お客さまが誇りを持って運転を楽しむことができる、プレミアムな存在感を持ち合わせたデザインです。」と語っている。

また、日産自動車のエグセクティブ・デザイン・ダイレクターの青木氏は「ブラジルには様々なスタイル、フレーバー、そしてテイストが一体化した人と文化の融合があります。『Kicks Concept』は、羨望の的になるようでありながら手の届くデザイン、ブラジルの裏通りの走りにも耐え得る頑丈さとスポーティーさを兼ね備えた上で、洗練されながらも、年間を通して使える実用性を持つデザイン、を追求しました。」と述べた。

グレーのボディにオレンジのアクセントカラーで高級感あふれる質感を演出

日産「Kicks Concept」

日産デザインアメリカ・リオのデザイナーがデザインしたカラーや素材もまた、同コンセプトカーに新鮮さを加えた要素となっている。「EXTREM」のボディカラーは深みのあるメタリックオレンジの専用ボディカラーでエネルギッシュな外観を作り上げていたのに対し、「Kicks Concept」は少し落ち着きつつも印象的なボディカラーが採用された。

日産デザインアメリカ・リオのチーフデザイナーであるロバート・バウアー氏は、同コンセプトカーのカラーについてこう述べた。「グレーはブラジルでは、非常に人気のある色です。なぜなら、落ちついて、洗練された都市コミュニティを感じさせる色だからです。『Kicks Concept』には、濡れたような光沢のあるサテンチタニウムを採用し高級感あふれる質感に仕上げています。また、私たちは同時に、お客さまの日常にドラマ性を持たせるために、上品で深みのある『リオ サンセット オレンジ』という名称のオレンジ色をルーフや、ホイール等のアクセント部分に加えました。」

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ブーメラン形ヘッドライトなどニッサンデザインの特徴が多く取り入れられた

日産「Kicks Concept」

「Kicks Concept」は、ブラジルの路面状況に対応できるように、どっしりとした接地感と機敏な印象を兼ね備えている。また、ダイナミックなボディ形状とコーナーに突き出したホイール、高いベルトラインやカウル、キャビンを取り巻くようなガラス、高い地上高などが、安心感と安全性を表現。力強いスタンスに加えて、彫刻的なデザインのアッパーボディと、大胆な縦基調のフロントエンドやパワフルなリアデザインによるダイナミックなロアボディーの組み合わせは、斬新さと力強さを加えている。

またボディ部分には、「Vモーション」モチーフを施したグリルやブーメラン型ヘッドライト、ユニークなフローティングルーフ、力強いボディ形状といった、ニッサンデザインの特徴が多く取り入れられている。更に、横長のLEDフォグランプを搭載し、ヘッドランプは特徴的なブーメラン形状をより際立たせる繊細な造りになっている。

リアバンパーの下部には、「リオ サンセットオレンジ」のアクセントが入ったスキッドプレートが組み込まれ、精巧に作り上げられたブーメラン型LEDテールランプと共に、力強さが表現されている。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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