波乱のスーパーGT 第4戦、2013王者“ZENT”が完全勝利!

#1 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/平手晃平組)/スーパーGT 2014 第4戦SUGO
表彰式/スーパーGT 2014 第4戦SUGO

スーパーGT第4戦『SUGO GT 300km RACE』の決勝レースが、7月20日、宮城県・スポーツランドSUGOで行われた。

レース中に降ったり止んだりという雨の中、2013年のチャンピオンNo.1 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/平手晃平組)が、安定した速さを発揮し、3位以降を周回遅れにする快走で今季初勝利を挙げた。

GT300クラスでは、No.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/青木孝行組)が優勝を果たした。

タイヤ選択が運命を変えたSUGOラウンド

スタート/スーパーGT 2014 第4戦SUGO
決勝レース/スーパーGT 2014 第4戦SUGO#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘組)/スーパーGT 2014 第4戦SUGO

19日に行われる予定だった予選は雨と霧でキャンセル、20日の朝に改めて予選が実施され、GT500クラスはNo.36 PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)が、GT300クラスはNo.10 GAINER Rn-SPORTS SLS(植田正幸/山内英輝組)がポールポジションを獲得した。

◎関連記事:スーパーGT第4戦SUGO、19日の予選はキリでキャンセル

そして、迎えた決勝レース。スタートした14時の時点では、天候は曇り。だが、スタート直後に雨が降り出す。ポールポジションのPETRONAS TOM’S RC F(ジェームス・ロシター)や予選2位のNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(武藤英紀)は、この後も雨と判断しすぐにピットインして、雨用タイヤに交換する。

だが、雨は5周ほどで上がってしまい、タイヤを替えたチームはまたピットに入ることになり、大きく出遅れてしまう。これで1、2位となったのは、予選5位のNo.37 KeePer TOM’S RC F(アンドレア・カルダレッリ)と予選11位のNo.1 ZENT CERUMO RC F(平手晃平)だった。雨が上がったとは言え、まだ滑り易い状況の中、平手のペースはトップのカルダレッリを上回り、18周目にはKeePer TOM’S RC Fを抜いてトップに立つ。

この後、平手はさらに差を広げ、2番手のKeePer TOM’S RC Fに35秒の差を付けてピットイン。レース後半をエースの立川祐路に託す。この後も、雨は降ったり止んだりで、晴れ用タイヤで走るZENT CERUMO RC Fを操る立川は気の抜けない状況だったが、そこはGT500最多勝ドライバーらしく、ミスが頻発する後続を尻目に快走。ゴール時点では2位のKeePer TOM’S RC F(伊藤大輔)以外をすべて周回遅れにするスーパーGTでは滅多に見られない大差で、今季初勝利を獲得した。

#1 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/平手晃平組)/スーパーGT 2014 第4戦SUGO
KeePer TOM'S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)/スーパーGT 2014 第4戦SUGO#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘組)/スーパーGT 2014 第4戦SUGO

これで立川はGT500通算優勝を単独の16勝とし単独トップに。平手は通算6勝。今季デビューしたレクサスRC Fは開幕戦以来の2勝目となった。3位には今季苦戦を強いられていたHonda NSX CONCEPT-GTのNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘組)が入り、シリーズ後半への期待を感じさせた。

一方、GT300クラスではポールポジションのNo.10 GAINER Rn-SPORTS SLS(山内英輝)を序盤に抜いたNo.11 GAINER DIXCEL SLS(ビヨン・ビルドハイム)がトップに立つ。だが、追い上げてきたNo.50 WAKO’S Exe Aston Martin(安岡秀徒)との攻防で接触し、右前サスペンションを壊してリタイア。トップに立ったWAKO’S Exe Aston Martinもレース後半にポジションを落としてしまう。

代わって終盤をリードしたのはNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3だ。難しい状況をベテランの青木孝行、織戸学が着実に走る。終盤に織戸がコースアウトして周囲をヒヤリとさせるが、30秒近いマージンがモノを言い、チームとランボルギーニに8年ぶりの優勝をもたらした。

GT500クラス優勝 ドライバーコメント【#1 ZENT CERUMO RC F】

▽立川祐路

「嬉しいです。ウェットはバランスがあまり良くなくて…。でも降ってくれば悪くはなかったし、決勝のように少し濡れただけならドライでも問題なかった。決勝は平手(晃平)が良い走りでリードを築いてくれました。チームの(タイヤ交換の)判断も絶妙で、僕は本当にただ走っただけ。そんな感じでしたね。ただ、終盤にまた降って来た時には神経を集中して走る必要がありました。個人的には今回で(通算)16勝ですか? 最大の目標はタイトルですが、優勝が増えることは、それだけタイトルに近づくこと。だから本当に嬉しいです」

▽平手晃平

「立川さんは『チームの判断が絶妙だった』と言ってますが、実は判断が少し遅れたんです(苦笑)。で、スタートでタイヤ交換にピットインしたクルマの多かったんですが、(判断が)遅れた僕たちはステイする(待つ)作戦になった。それが結果的には大正解でした。決勝ではクルマのバランスも良くて、普通に走っていればギャップが大きくなって行きました。ただ、いつ降り始めるか分からなかったので、それまでにできるだけギャップを築いておこうと、プッシュして結果的に20秒くらいのマージンを稼いで立川さんに繋ぐことができました。生まれたばかりの息子にも大きなプレゼントをすることができ嬉しいですね」

GT300クラス優勝 ドライバーコメント【#88 マネパ ランボルギーニ GT3】

▽織戸学

「自慢話になるので大きな声では言えませんが、今日の優勝はラッキーでした(苦笑)。ともかく、久々に優勝できて嬉しいです。ランボルギーニで勝てたことが嬉しいし、青木(孝行)とのコンビで勝てたことがもっと嬉しい。一緒に勝とうと思って続けてきた甲斐がありました。タイヤを無交換で行くという作戦もピッタリはまったし、それを可能にしたヨコハマさんのタイヤにも感謝です。鈴鹿の(公式)テストで良いタイヤを見つけて、それが今回の優勝に繋がった。チームにも青木にも、そしてヨコハマさんにもスポンサーさんにも感謝ですね」

▽青木孝行

「予選は僕が走ったんですが、今回は最後の1周が勝負、と思っていました。でも、インターミディエイト(少ない雨用タイヤ)のおいしいところを使いきってしまい9位になってしまったんですが、それが結果的には良かったのかもしれないですね。周囲がドタバタしている中で落ち着いてスタートを切ることができましたから。そして落ち着いて走っているうちに周りがとっ散らかっていって、気が付いたら2位になっていました。2位で織戸(学)さんに繋いで、タイヤ無交換でピットアウトしてトップを逆転できました。あとはペースを落とさない織戸さんにハラハラドキドキしながらピットでモニターを見っていました。調べないと分からないくらい久々の優勝ですが、これで流れに乗って行けたら、と思います」

GT500リザルト

(1)#1 ZENT CERUMO RC F (立川 祐路/平手 晃平)

(2)#37 KeePer TOM’S RC F (伊藤 大輔/A.カルダレッリ)

(3)#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT (塚越 広大/金石 年弘)

(4)#36 PETRONAS TOM’S RC F (中嶋 一貴/ジェームス・ロシター)

(5)#6 ENEOS SUSTINA RC F (大嶋 和也/国本 雄資)

(6)#39 DENSO KOBELCO SARD RC F (石浦 宏明/オリバー・ジャービス)

(7)#46 S Road MOLA GT-R (本山 哲/柳田 真孝)

(8)#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT (山本 尚貴/F.マコヴィッキィ)

(9)#12 カルソニックIMPUL GT-R (安田 裕信/J.P.デ・オリベイラ)

(10)#24 D’station ADVAN GT-R (ミハエル・クルム/佐々木 大樹)

(11)#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT (小暮 卓史/武藤 英紀)

(12)#19 WedsSport ADVAN RC F (脇阪 寿一/関口 雄飛)

(13)#32 Epson NSX CONCEPT-GT (中嶋 大祐/ベルトラン・バゲット)

(14)#23 MOTUL AUTECH GT-R (松田 次生/ロニー・クインタレッリ)

(15)#8 ARTA NSX CONCEPT-GT (V.リウッツィ/松浦 孝亮)

GT300リザルト

(1)#88 マネパ ランボルギーニ GT3 (織戸 学/青木 孝行)

(2)#65 LEON SLS (黒澤 治樹/黒澤 翼)

(3)#21 Audi R8 LMS ultra (リチャード・ライアン/藤井 誠暢)

(4)#50 WAKO’S Exe Aston Martin (加納 政樹/安岡 秀徒)

(5)#67 STP タイサン GAIA POWER GT-R (横溝 直輝/密山 祥吾)

(6)#86 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3 (細川 慎弥/山西 康司)

(7)#30 IWASAKI apr GT-R (岩崎 祐貴/影山 正美)

(8)#7 Studie BMW Z4 (ヨルグ・ミューラー/荒 聖治)

(9)#3 B-MAX NDDP GT-R (星野 一樹/ルーカス・オルドネス)

(10)#60 TWS LM corsa BMW Z4 (飯田 章/吉本 大樹)

(11)#0 MUGEN CR-Z GT (中山 友貴/野尻 智紀)

(12)#33 PUMA KRH PORSCHE (都筑 晶裕/J.ベルグマイスター)

(13)#10  GAINER Rn-SPORTS SLS (植田 正幸/山内 英輝)

(14)#61 SUBARU BRZ R&D SPORT (佐々木 孝太/井口 卓人)

(15)#4 グッドスマイル 初音ミク Z4 (谷口 信輝/片岡 龍也)

(16)#55 ARTA CR-Z GT (高木 真一/小林 崇志)

(17)#9 国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DR (白坂 卓也/アンドレ・クート)

(18)#360 OKINAWA IMP・RUN UP GT-R (吉田 広樹/藤田 竜樹)

(19)#48 Snap-on DIJON Racing GT-R (高森 博士/田中 勝輝)

(20)#22 グリーンテック SLS AMG GT3 (和田 久/田中 哲也)

(21)#2 シンティアム・アップル・MP4-12C (高橋 一穂/加藤 寛規)

(-)#31 OGT Panasonic PRIUS (新田 守男/嵯峨 宏紀)

(-)#11 GAINER DIXCEL SLS (平中 克幸/ビヨン・ビルドハイム)

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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