フィスカー・オートモーティブ、創始者のヘンリック・フィスカー氏が退任
3月13日、米 ベンチャー企業フィスカー・オートモーティブ社は、同日付で創設者であるヘンリック・フィスカー会長が辞任したと発表した。
主な理由は、フィスカー社経営陣との間で、いくつかの経営戦略において意見の食い違いがあったとみられる。
ヘンリック・フィスカー氏は、デンマーク出身の自動車デザイナー。1989年にBMWに入社、2000年にはアストンマーチン社に移籍し、デザイン担当役員に就任。 2007 年には自らの斬新かつレトロモダンなデザインのプラグインハイブリッドの高級スポーツカーを製造するベンチャー企業「フィスカー・オートモーディブ」を設立し、脚光を浴びていた。
フィスカー・オートモーディブは、ヘンリック・フィスカー氏 自ら手がけたヨーロッパ的なデザインに、革新的な技術による長い航続距離を持ったラクジュアリースポーツカー「カルマ」が多いに注目され、それより小型の「アトランティック」も期待されていた。
しかし、2011年5月にアメリカ政府の援助(ATVM)凍結となり、バッテリーを供給していたA123社が倒産、またアメリカ東部を襲ったハリケーン・サンディによりヨーロッパへの輸出を待つカルマ300台が損傷するなど、不運が続いた。
ハリウッドスターの、レオナルド・ディカプリオ 氏を含む投資家を持つフィスカー社は、さらに新しい投資とパートナーを捜していたが昨年生産を中止。 ボディを供給するGMとの提携の噂もあったが、昨年12月に売却の予定を否定していた。
今年2月には、中国の大手自動車メーカー、吉利汽車・ボルボカーズを傘下に持つ浙江吉利控股集団と東風汽車の2社が買収競争中との報道があったばかりだった。
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