フィスカー アトランティック NYで発表! -EVで航続距離400kmを実現-
アメリカの新自動車会社、フィスカー・オートモーティブ社は4月3日(現地時間)に、ニューヨークでEVレンジエキスパンダー型プロトタイプを発表した。
競争力のあるクルマとして開発されてきた「Ninaプロジェクト」がそれだが、正式名称は「アトランティック」となる。
2014年前期に日本に上陸するアトランティックの価格は、後輪駆動モデルがおよそ6万ドル(※約498万円)、4WDタイプは6万5000ドル(※約539万円)となる見込みで、アトランティックは2013年からデラウェア州の元ゼネラル・モーターズ工場で生産が開始されることになっているという。
元アストン・マーティンのチーフデザイナーでフィスカー・オートモーティブ社の共同創設者であるヘンリック・フィスカーは、同社の先発モデル、カルマの美しく流れるラインと緩やかなカーブを丁寧に踏襲し、そのシルエットをアトランティックに再現している。
ちなみに、カルマには22インチという巨大なホィールが施されている。
4ドアのアトランティックのボディサイズは、第一弾として2011年末に発売されたカルマよりわずかに小さく、BMW 3シリーズと、アウディ A5のライバルとなるだろう。
また、アトランティックは他のどのドイツ車よりも足元に余裕があり、ヘッドクリアランスもあるため余裕ある室内となっている。
同社のトム・ラソーダCEOは、「フィスカー・オートモーティブは、新参のカーメーカーという位置づけを脱し、一人前のカーメーカーへと成長した。そして、アトランティックは当社にとって、決定的なマイルストーンとなる」と語っている。
カルマと同じEVer(EVer = Electric Vehicle extended range)ドライブトレーンを使用するアトランティックは、プラグイン・ハイブリッド車で、完全EVモードとガソリン駆動モードとを切り替えらることが出来る。ベース・モデルは後輪駆動だが、4WDも追って用意されるという。
先発のカルマと違い、アトランティックには、BMW3シリーズの4気筒ターボ付きガソリン・エンジンが搭載されるが、このガソリンエンジンは、リチウムイオンバッテリーの発電機となる。つまり、クルマを駆動するためのエンジンではないということ。
フィスカー社に近い筋の情報によると、アトランティックの航続距離は、電動ステルス・モードで80km、ガソリンエンジンを使用することにより、その航続距離を更に400kmへと延長する。
筆者は、今販売されているフィスカー第一弾のカルマに乗ったが、ハンドリングや乗り心地は、BMW 3シリーズに負けないほど、コーナリング性能が高いのは体験済み。その上で、アトランティックはBMWのエンジンを搭載するが、それ以外はカルマのモーターなどをそのまま採用するので、ノーズダイヴしない非常にフラットなコーナリング姿勢を保つハンドリングに期待できると思っている。
<※1ドル83円で換算>
(ピーター・ライオン)
この記事にコメントする