20代若者の間でスポーツモデル人気が復活! その理由は「電動化になる前の今」と「買い方の多様化」にあった!?
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:佐藤 正己/和田 清志/トヨタ自動車
トヨタ 86&スバル BRZが登場した2012年頃から若者がスポーツカーに乗る姿を頻繁に見かけるようになった。なぜ最近になってスポーツカーが若者に人気なのか。
実際にスバル 新型BRZのオーナーでもあるジャーナリストの永田恵一さんに聞いた。
ロードスターの約2割、GR86の約3割は20代オーナーだ
2021年12月に改良モデルが発表され、すでにデリバリーを開始しているマツダ ロードスターの最新モデルのユーザー層は20代が19%、昨年10月に発売されたトヨタ GR86も20代が30%程度を占めている。
大きな数ではないにせよ、若者の間ではスポーツモデルの人気が復活しているようだ。
昨年マイカーのトヨタ 86をGR 86の兄弟車となる新型スバル BRZに換えた筆者の経験でも、ユーザー向けの納車開始当日に納車された自分の新型BRZを高速道路のパーキングエリアに止めると、スバル インプレッサの初代モデルに乗ったクルマ好きの大学生が筆者のBRZを興味津々で見に来たということがあった。
また、スポーツカーを得意とする業者に処分した筆者のトヨタ 86も、風の噂によると20代初めの女性が乗っているらしいなど、そういった雰囲気を実感することも少なからずある。
今しか乗れない! 電気自動車などの電動化時代を前にスポーツカーに乗りたい若者は多い
こういった背景もあり、ここでは若者の間でスポーツモデル人気が復活している理由を2つ考えてみたい。
一つ目は「スポーツモデルは今しか乗ることができないかもしれない」という気持ちではないだろうか。今の20代は東京オートサロンの来場者を見ると、ここ数年は30歳までが30%程度を占めるなど、クルマに対して好意的で関心も高い。
また、筆者が参加するクローズドコースでの走行会の参加者を見ても、若い層が増えている感もある。
そんな世代だけにもっともエンジンのフィーリングを濃厚に味わえるのに加え、自分がクルマを操っている感覚が濃いMTの純エンジン車の存続が絶望的となる「本格的な電動化」の時代を前に、今のうちに「スポーツモデルをできればMTで乗っておきたい」という気持ちが強い20代は少なくないのではないだろうか。
買い方は色々! 残価設定ローンやサブスクリプションで若者でも手が届く価格になった
もう一つは「予算の折り合いがつけやすい」ことだ。
数年後にクルマを処分する際の価値をはじめからアテにするという考えの是非はともかくとして、最近は残価設定ローンや、月々の使用費に任意保険代や基本的な整備代などが含まれるトヨタのKINTOをはじめとしたクルマのサブスクリプション(定額制)といった、スポーツモデルでも比較的安く乗れる乗り方がある。
また、トヨタ GR86とトヨタ GRヤリスのKINTOでは常識的な範囲であればカスタマイズも可能となっている点もプラス要素だ。
次回は、若者に勧められる新車価格300万円程度でMT設定のあるスポーツモデルをピックアップしてみよう。
【筆者:永田 恵一】
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