スズキの新型ワゴンRスマイルは男性でも乗れるユニセックスデザイン！ ダイハツ ムーヴキャンバスを超える内装クオリティが魅力
- 筆者： 小沢 コージ
- カメラマン：雪岡直樹／茂呂幸正
絶妙な背の高さでバカ売れこそしないが着実に売れるダイハツ ムーヴギャンバスのガチライバルとして登場したスズキの新型ワゴンRスマイル。だが、普段ホンダ N-BOXを愛用しているモータージャーナリスト 小沢コージの見立ては少し違う。
新型ワゴンRスマイルはじつは軽スライドワゴン全体から台数を稼ごうとしている気がするというのだ。それは全体の予想以上のクオリティの高さからも伝わってくる。
ライバル車と比較しながら内外装を詳しく解説しよう。
ヘッドライトとリヤコンビランプが特徴的だ
まず外装だが、キャンバスのような明らかにヤング女性狙いのファンシーデザインではない。男性でも乗りやすいユニセックス系でありカバー領域が広く、ディテールの質感も高い。
最大のキモは上位機種のみだが、厚肉インナーレンズを用いたポジションランプ含むヘッドライトと角が取れた弁当箱のようなリヤコンビランプ。中でもヘッドライトはクリスタルっぽい立体感ある質感が美しく、真円ライトではなく楕円なところも微妙に大人っぽい。
外観の全体フォルムも絶妙に角が取れており、空力に気を使っている。これは見た目の可愛さと同時に、スーパーハイトワゴンに対する燃費の優位性を稼ぐためだろう。
インテリアの質感も高い。
インパネの質感や使い勝手にもこだわっている
軽自動車だけにインパネにソフトパッドは使われてないが、ハードプラスティックの樹脂感はホンダ N-BOXほどではないにせよ、同じスズキのスペーシアより高いと見た。そのうえ、最上級のハイブリッドXはメーター回りのパネルにラメ入りの化粧パネルが付き、紺とホワイト系の二色が選べ、カッパーゴールドのフチ取りも入る。細かい話だが、プレスによるステッチ加工も（おそらく）スズキの軽で初採用。
インテリアは使い勝手も気を配っている。助手席前の棚は大して珍しくないが、運転席＆助手席側インパネに付くカップホルダーは500cc紙パックと630ccペットボトルが収まる新型ワゴンRスマイル専用設計だし、シフト下のスマホが入るモノ入れやシートヒータースイッチも新型ワゴンRスマイル専用設計。
インフォテイメントは新型ワゴンRスマイル専用ではないが9インチのメモリーナビがオプションで付けられるし、シート生地はファブリックのみだが家具調のオシャレなもの。同じスライドドアのスペーシアとはテイストが違う。
一方で後席の利便性はライバルモデルと比較すると一歩劣る
唯一残念というか新型ワゴンRスマイルならではの絞ったコンセプトが伺えるのはリヤシート。ここはライバル、キャンバス同様ファミリー層以上に若い女性層を狙ったようで、リヤシートスライドはラゲッジ側から調整できないし、サイドウィンドウにサンシェードの設定もないし、スペーシアでは選べるサーキュレーターも付けられない。
リヤシートに乗員がゆったり座ることをあまり想定してないのは露骨で、シート自体は特別小さくないし、ヒザ回りのスペースも十分あるので残念。
確かにスペーシア、N-BOXなどのスーパーハイトワゴンに比べるとリヤドアの開口部は上下が狭く、身長170cm以上の男性が乗り降りするには多少不便。だが、特別乗りづらくはなく、中に入ると十分広い。
ターボ車の設定がないことからも明らかだがワゴンRスマイルはターゲットをライバル同様絞っている。小沢的には絶妙なハイト高からくる扱い易さからもっと広い層を狙えると思っているのだがいかがなものだろうか。
【筆者：小沢 コージ】
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横浜市出身。バラエティ自動車ジャーナリスト。自動車メーカー、「NAVI」編集部員を経てフリーに。現在、雑誌やネットに多数連載。記事一覧を見る
自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。
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