21年ぶりに再上陸するオペル、多彩なラインアップで勝負! 当面はPSAグループのディーラー網で勝負か!?
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:MOTA編集部
2020年2月に突如として発表された、オペルが日本へ再上陸するというニュース。じつはオペルは日本撤退後に親会社が変更され、今はプジョーやジープブランドを持つステランティスグループの1ブランドとなっているのだ。かつて日本では低価格モデルを投入するなど、一時的に大ヒットとなったが、再上陸時はどのようなモデルを取り扱うのだろうか!? またオペルならではの魅力をどのように訴求するのか!?
21年ぶりに再上陸するドイツのオペル
最近輸入車業界で「そういえば、どうなった?」という話題になっているのが、一度日本市場から撤退し、再上陸が2020年2月に発表されているドイツのオペルである。ここでは日本上陸第一期の歩みを振り返り、再上陸を展望を予想してみた。
低価格コンパクトカーで大人気に! 第一次日本上陸はヤナセディーラー網使用で一時は大成功
オペルはかつてコンパクトカーのコルサ(日本名ヴィータ)からメルセデス・ベンツ Eクラス級のボディサイズとなるオメガまでが揃う、ドイツではVWと双璧をなす親しみやすいブランドだった。
ヤナセブランドとなり低価格路線で大ヒット車も!
日本での販売は1992年までインポーターがハッキリしないなど、今一つ力が入っていない印象であった。だが、その流れは1993年に一気に変わった。
というのも、それまでセットのような組み合わせだったVWとヤナセが袂を分かち、ヤナセはVWに代わるブランドとしてオペルを選んだからである。
ヤナセがオペルを扱い始めた当初はフォルクスワーゲンならゴルフ、日本車でいうならば日産 初代プリメーラに相当するアストラやベクトラなどをラインアップ。全体的に輸入車に求めたい個性と価格のバランスが取れておらず、中途半端な存在だった感もあった。
しかし、1995年にコンパクトカーの「ヴィータ」が導入され、流れが変わった。充実した安全装備を持ちながら、150万円台からという破壊力ある価格で導入されインパクトを与えたのだ。他のモデルも改善が進んできたのに加え、もともと輸入車業界では強固なディーラー網を持つヤナセの扱いだっただけに販売も上向いた。
だが、2000年代に入り商品力と価格のバランスが再び崩れ始めたのもあり、販売も低迷。オペルは2006年に日本市場から撤退したのだ。
再上陸するオペルは多彩なラインアップが魅力! PSAグループにない独自のパワートレインで勝負か!?
その後、オペルはGM傘下から2017年にプジョー&シトロエンのグループPSA傘下となり、2021年にはPSAとFCA(フィアットクライスラー)の合併により産まれたステランティスの1ブランドとなっている。
現在オペルはグループPSA傘下になっているため、プラットフォームやエンジンといったクルマの基本的な部分はPSAとの共用化を進めているところだ。
このような背景もありグループPSAジャパンにより日本再上陸が決まったと思われ、来年上半期と予定されているオペルの日本再上陸の際のディーラー網は既存のプジョーとシトロエンのディーラーも含む方向となっている。
流行りのコンパクトSUVを軸に、多彩なラインアップをで投入予定
オペルの日本再上陸の際のラインナップは電気自動車などの電動車を含む、コルサ、モッカ、グランドランド(3008)が見込まれ、後に当初の予定に合ったコンボ(リフター)を含め、ランナップの拡充が予定されているという。
ちなみにプジョーのモデルと照らし合わせると、コルサが208、モッカはコンパクトSUVの2008、グランドランドXはミドルサイズSUVの3008。そしてミニバン(厳密に言えばMPV)のリフターに当たる。
オペルらしさを訴求!? グループ内にはないディーゼルなど“ならでは”の魅力で勝負を!
グループPSAにおいて、オペルはベースこそグループPSAと同じでもドイツ車らしい硬質な乗り味など、オペル独自の方向性を持っているのだろう。
しかし、グループ内でのブランドイメージを考えると大きな価格差を付けるというのも難しそうなだけに、オペルとプジョー&シトロエンとの差別化は難しいようにも感じる。
このあたりは日本に再上陸するオペルのベースとなるプジョーのモデルにはない1.5リッターディーゼルターボやMTの設定などで差別化していくのか、気になるところだ。
日本に再上陸するなら、今度は撤退することないよう長期的かつ勝機ある計画で頑張ってほしいところだ。
【筆者:永田 恵一】
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