ダイハツ ムーヴ&ムーヴカスタム燃費レポート|NAとターボの実燃費を徹底比較!(1/5)
- 筆者: 永田 恵一
ダイハツ ムーヴ&ムーヴカスタムの実燃費を徹底比較!
今回の燃費テストでは、8月にマイナーチェンジを受けたダイハツの軽ハイトワゴンであるムーヴ2台をテスト。
グレードはムーヴがNAエンジン、ムーヴカスタムがターボエンジンを搭載するモデルを選択した。
基本となるムーヴのグレードはX”SA3”(車両本体価格127万4400円、JC08モード燃費31.0km/L)。一方のムーヴカスタムは、最上級となるターボエンジンを搭載する、RS”ハイパーSA3”(車両本体価格162万5400円、JC08モード燃費27.6km/L)を起用した。
マイナーチェンジされたムーヴの燃費テストの結果は以下の通り
ダイハツ ムーヴ&ムーヴカスタム実燃費まとめ | ||
---|---|---|
ムーヴNA | ムーヴカスタムターボ | |
JC08モード燃費 | 31.0km/L | 27.4km/L |
高速道路 | 24.8km/L | 22.6km/L |
市街地(街乗り) | 23.3km/L | 21.4km/L |
郊外路 | 21.9km/L | 20.3km/L |
総合 | 23.6km/L | 21.6km/L |
ライバルとなる軽ハイトワゴンと比較をすると、全体的に及第点以上の実燃費を記録した。乗り心地やハンドリングは車自体の仕上がりも飛び抜けた部分こそないものの、軽自動車と考えれば全体的に良好であった。ここからは高速道路編、市街地編、郊外路編、それぞれの章で燃費や走りの質について詳細な評価を行っているので、ムーヴや軽ハイトワゴンの購入を考えている方にはぜひ参考にしてほしい。
目次・ページジャンプ
■【2ページ目】実燃費レポート|高速道路編 ~NAとターボの動力性能を比較~
■【3ページ目】実燃費レポート|街乗り・市街地編 ~街乗りでの使用感を比較~
■【4ページ目】実燃費レポート|郊外編 ~ムーヴとムーヴカスタムの乗り心地比較~
燃費テスト概要
テストはX”SA3”が2017年9月5日(火)の正午頃開始し、午後6時半頃帰京するというスケジュールで実施。テスト中の天候は晴れ時々曇り、最高気温28度と残暑が残る気候で、交通状況は混雑することが多い5・10日(ごとうび)ながら非常にスムースであった。
カスタムRS”ハイパーSA3”は翌9月6日(水)の午前7時頃開始し、午後3時頃帰京するというスケジュールで実施。テスト中の天候は曇り時々雨、最高気温は23度と秋の到来を思わせる涼しい気候の中、交通状況はこちらも非常にスムースであった。
トールワゴンの代表格、ダイハツ ムーヴとは
1995年に初代モデルが登場したダイハツ ムーヴは、端的に言ってしまえば1993年に登場したスズキ ワゴンRのフォロワーである。
ワゴンRは、「寸法が限られた軽自動車の車内を広くするには全高を高くすればいい、高くするしかない」という当時としてはコロンブスの卵のように画期的なコンセプトで登場し、大きな柱となった軽ハイトワゴンの先駆けとなる存在であった。
2014年12月に登場した現行モデルで6代目となるダイハツ ムーヴは、キープコンセプトのまま、質の向上を目的にフルモデルチェンジされた。
フルモデルチェンジの際に導入された新技術としては、ボディ剛性を向上させながら約20kgの軽量化を果たしたDモノコック、ハンドリングと乗り心地を同時に向上させたDサスペンション、当時の軽自動車としては初となるDアシスト(走行モードのパワーモード)という3つのDが採用され、注目を集めた。
シリーズとしては他の軽自動車と同様に標準モデルとエアロパーツなどを装着し、よりスタイリッシュなカスタムの2つが設定される。
搭載されるエンジンは660cc3気筒のNA(最高出力52馬力&最大トルク6.1kgm)とターボ(最高出力64馬力&最大トルク9.4kgm)の2種類。燃費向上の技術としては、NAエンジンは熱効率(燃料を使って燃焼させた際にエネルギーに変換できる値)を向上させるクールドi-EGR、それぞれに暖気を早め実用燃費の向上に貢献するCVTサーモコントローラー、減速エネルギーをバッテリーに充電しオルタネーター(発電機)の負担を減らすエコ充電制御を採用。
さらにターボエンジン搭載車を含めたカスタムの上級グレードには、スマートクールを採用。エアコンが作動しないアイドリングストップ中でも一定時間冷たい空気を出し、アイドリングストップする時間を延長することで、実用燃費を向上させる機能だ。
さらに車体側でも空気抵抗、転がり抵抗の低減、軽量化が施され、結果FF車のJC08モード燃費はNAエンジン搭載車が31.0km/L、ターボエンジン搭載車も27.4km/Lを記録。軽ハイトワゴンとしては超簡易型ハイブリッドを搭載するスズキ ワゴンRに次ぐ燃費を誇る。
エコカー減税でもNAエンジン搭載車が取得税60%、重量税75%軽減、ターボエンジン搭載車も取得税40%、重量税50%軽減がそれぞれ適応となる。
ムーヴの2017年マイナーチェンジの内容まとめ
現行ムーヴ、マイナーチェンジの履歴
2017年8月に行われたマイナーチェンジの内容を順序良くお伝えするため、現行ムーヴがこれまでに受けた変更、改良を振り返ると
■2014年12月 現行ムーヴ登場
■2015年4月一部改良
同社のタントとともに、自立自動ブレーキをレーザーセンサーからの情報を基に30km/h以下のスピードでしか作動しなかったSA(スマートアシスト)を、レーザーセンサーに単眼カメラを加え作動速度域の拡大、歩行者の検知機能、車線逸脱警報を備え、大幅に性能したSA2に変更。
■2016年6月一部改良
カスタムにお買い得グレードを追加、インテリアの質感を向上。
■2017年8月マイナーチェンジ
タントに続き、自立自動ブレーキをステレオカメラ(2つのカメラ)からの情報を基にするSA3に変更。歩行者に対する緊急ブレーキ機能や夜間ハイビームを積極的に使うオートハイビームなどを追加。さらに内外装の変更が施され、価格の見直しも行われた。
2017年のマイナーチェンジは、自動ブレーキの改善が目的
つまり現行ムーヴがこれまでに受けた変更は、現在では車を買う際に重要なポイントとなっている自動ブレーキの強化が主である。
マイナーチェンジされたムーヴに搭載されるSA3(スマートアシスト3)の性能は、対車両では40km/h、日中遮蔽物がない状況下での歩行者の飛び出しに対しては35km/hでの停止が確認されている。
2017年9月現在の軽自動車用の自動ブレーキ性能は、停止可能速度比較で、ホンダ>スズキ>ダイハツ>日産&三菱という順で勢力分布が敷かれている。
ホンダ 新型N-BOXに採用されたホンダセンシングは、登録車と同じ性能だとすると対車両には50km/h、日中遮蔽物のない歩行者の飛び出しに対しては40km/hでの停止が可能。スズキもホンダセンシングと同等かタイプによっては若干劣る性能、日産&三菱が30km/hで作動を停止してしまうレーザーセンサーのみというのが現状だ。といったことを加味すると、スマアシ3の性能は軽自動車用としては納得のいくレベルということになるだろう。
なお、今回マイナーチェンジ直後の2017年8月の軽自動車販売では、ムーヴシリーズが久々の1位に返り咲いており、拡販という意味でもマイナーチェンジの効果はそれなりにあったようだ。ちなみに、スバルに対して”ステラ”という名前でOEM供給されている。
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