フォルクスワーゲン ゴルフGTI 実燃費レビュー【vol.4 300-400km】(1/2)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:オートックワン編集部
荒れた路面でも路面を掴むサスペンション
渋峠からの下りでも、DCCとXDSは威力を発揮した。アスファルト舗装が剥がれ掛かっていたり、ヒビが入って荒れているコーナーでも、ゴルフGTIはそれに煽られることなく、執拗に路面をつかみながら走っていく。
これは、DCCとXDSという電子制御デバイスの働きが優れていることの前提として、剛性の高いボディとしなやかに動くサスペンションが存在しているからだ。もちろん、ゴルフGTIは戦車ではなくクルマなので、適度なしなりが備わっているのだが、その調和がうまく取れているのだ。非常にバランスが高い。
志賀草津道路を下り、しばらく行くと、突然目の前に、木々の間から巨大なT字型の建造物が出現した。ニュース画像などで最近よく目にする八ッ場ダム建設予定地だ。3つ並んだT字型の建造物は、迂回道路の橋桁だ。
「こんな自然が豊かなところに、いきなり巨大なコンクリートの塊が現れたので、ビックリした」
「実際のダムは、どの辺りに建設が予定されているのか、ちょっと見に行ってみようか」
S編集長と僕は、野次馬根性を抑え切れなくなり、ゴルフGTIで川を遡ってみた。少し行ったところにダムの建設予定図が看板として掲げられていた。それによれば、いまゴルフGTIで走って来た道路とその周辺の民家や田畑などはすべて底に埋まってしまうほど深いダムが予定されている。
民主党への政権交替によって、ダム建設は中止されることになっているが、もしそれ以前の計画に従って建設されるのであれば、自分たちがいま走っている一帯はダム湖底の最も深いところに沈んでしまう。沈んでしまえば、二度と同じ光景を見ることはできない。
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