人気軽オープン「S660」の本当の燃費を測ってみた/vol.2 郊外路編(2/2)
- 筆者: 永田 恵一
これほどまでに公道をワクワクしながら安全に楽しめるクルマは他にない
乗り心地を厳しく見ると、オープンカーゆえにボディ後半の剛性が完全には確保できない部分もあるのか荒れた路面だと後輪が一気にストロークしてしまうこともあるが、基本的にはしなやかに路面の凹凸を追従し、軽自動車どころか登録車を超える上質感を持っている。
もう1つ付け加えると、シートもサイズが大きいのに加えて体のホールド性も良好で、シートの良さもスポーツカーらしい雰囲気や高速道路での予想外の快適性の高さにつながっていたに違いない。
S660の各部が「本物のスポーツカー」であることと、悪く言えばパワーの無さ、良く言えば使い切れるパワーであること、スポーツカーらしい低いヒップポイントといった要素が噛み合い、S660に乗っていると首都高やワインディングロードを合法的なペースで走っているだけでも常識的な範囲でアクセルを深く踏み、S660をロスなく美しく走らせようと運転に没頭している筆者がいた。
これほど公道を安全に楽しく、しかも免許証の心配もなくワクワクしがら運転を楽しめる車は他にないのではないかと思う。
郊外路でS660をオープンで走行した印象は、ペースが遅くなるだけに高速道路ほどではないにせよ、やはり苦行の範疇であることには変わりなかった。
気候がいい時期であれば、長時間は厳しいにせよきっと楽しいオープンエアモータリングが楽しめるだろう。
新たな発見としては真夏に一般道でリアウィンドウを開けると、ペースが遅いためエンジンルームからの熱が室内に入ってきてしまい暑さが助長されることで、こういった場面ではリアウィンドウは閉めるか開けるにしても小さめにした方がいいということが分かった。
またS660はターボチャージャーの過給圧を逃がすブローオフバルブの音を通常隠そうとするところをあえて強調し、気分を盛り上げる演出とし、リアウィンドウを開けるとより大きく聞こえる。
これは好みが分かれるところもあると思うが、筆者としては車の性格を考えるとあっていい演出と評価している。
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