BMW MINI ロードスター 海外試乗レポート/石川真禧照(1/2)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:BMW Japan
MINIファミリーの新たな仲間、クーペベースのミニ・ロードスター!
ミニシリーズにまた新しいバリエーションが加わった。その名はミニ・ロードスター。2人乗りのオープンスポーツカーだ。それにしてもミニのニューモデル攻勢はとどまることを知らない。
BMWのミニがデビューしたのは2001年のこと。最初は3ドアハッチバックだけだったが、2004年にコンバーチブルが加わった。フルモデルチェンジは2006年。しかし、ボディサイズは長さ、幅ともに20mmほど大きくなったのだが、ボディデザインが変わらないので、フツーの人には見分けがつかないほど。
ただし、中味はエンジン、ミッションをはじめ、ボンネットの開き方など、ほとんどがリファインされていた。
2代目になったミニは、本格的にクルマの楽しさを追求しはじめた。3ドアハッチバック、4人乗りのカブリオレに続き、ルーフを延ばし荷室を拡大したステーションワゴン、クラブマンを追加した。さらに、ボディがひと回り大きく、4WDも選べる5ドアのクロスオーバー(本国ではカントリーマン)も発売した。
こうしたバリエーションを拡大する一方でチューニングモデルとしてJCW(ジョン・クーパー・ワークス)も開発、スポーツマンにも親しめるクルマづくりを進めた。
ミニ一族の拡大はこれだけでは済まなかった。
次は2人乗りだった。ミニ・クーペをベースにルーフを取り去ったロードスターが加わった。
新しく加わったロードスターは、フロント2人乗りの2シーターオープン
ボディサイズはクーペよりも全長が10mmほど長く、全高も5mmほど低いプロポーション。
ホロはロードスターという名称の伝統に沿って、簡素なホロを装備。手動で開閉するのが基本。ただし、ボルトガルで行われたプレス試乗会会場には、セミオートマ、と呼ばれるモデルもあった。これはロックは手で行うが、開閉は自動、という方式を採用していた。
日本への導入はいまのところ予定されていないが、オプションでもよいので、導入すればユーザーも喜ぶに違いない。
ホロのデザインも2人乗りと割り切ったことで、ボディデザインに合わせ、コンパクトにまとめられている。ルックスはスポーティでなかなかよかった。
搭載されるエンジンは、ミニクーパー(122ps)、クーパーS(184ps)、JCW(211ps)。本国ではこれに2.0Lターボディーゼル(143ps)もラインアップしている。ミッションは6速MT(ゲトラグ製)と6速AT(アイシンAW製)だが、JCWは6速MTのみの設定だ。
シャーシはEDLC(エレクトロニック・ディファレンシャルロック・コントロール)を含むDTC(ダイナミックシャーシコントロール)が投入されている。
ルーフを取り去りオープンカーにしたことで、ボディはねじれ剛性を強化する補強が行われた。フロントウインドウフレームも補強材になった。安全性の向上にも役立っている。ステンレススチール製のロールバーもボディに固定されている。
トランクには80km/h以上になると自動的にせり上がるリアスポイラーが付く。これはクーペと同じだ。ロードスターは、クーパークーペと比較すると約50kg軽くなっている。これはクーペのリアゲート(すごく重い)部分がなくなったことも関係しているはず。
この軽さが、ロードスター独自の乗り心地のよさと、走りのキビキビ感に結びついているに違いない。
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