ミニ ジョンクーパーワークス 試乗レポート/マリオ高野(2/3)
- 筆者: マリオ 二等兵
- カメラマン:オートックワン編集部
「運転が究極に楽しいミニ」として成功を納めたJCW
ミニシリーズのトップスポーツグレード「ジョン・クーパー・ワークス(以下、JCW)」を富士スピードウェイのレーシングコースで試乗させていただきました。
日本では「ミニ」そのものよりも「ミニクーパー」の名のほうがより深く浸透しており、それこそバスとミニバンの違いがわからないギャルでも「ミニクーパーは知ってる」と語るものでありますが、そもそも「クーパー」はミニの上級グレードの名前(よりスポーティなグレードは「クーパーS」)であり、現行型のラインナップでもそれは継承されています。
そもそも「クーパー」の名は、1950~60年代に大活躍したレーシングカーマシン製造者「ジョン・クーパー親子」の名前をとったもの。クーパー親子はF1でトップクラスのマシンを製作するなど、当時の世界のモータースポーツを席巻し、とりわけ「小さなクルマを速く走らせる」ことにおいては天才的な才能を発揮しました。
そんなジョン・クーパー氏が1962年、イギリスBMC社で販売していた小型車ミニのチューニングを手がけたのが「ミニクーパー」の始まりでした。
市販車ベースのモータースポーツとしては世界の頂点にあるWRC(世界ラリー選手権)でも圧倒的な強さを発揮して優勝するなど、ミニの潜在性能が遺憾なく発揮されることになり、その名を世界に轟かせたのであります。
ミニブランドは2000年からBMWグループとなり、現代の「ニュー・ミニ」として生まれ変わりましたが、ジョン・クーパー氏のクルマ作りの思想を受け継いだ息子のマイク・クーパー氏はBMWでも新世代ミニの開発に携わり、2003年には初代ニューミニの高性能グレード(パッケージオプション)として「JCW」を発売。
エンジン、サスペンション、ブレーキ、ボディにクーパー氏が理想とするパーツを組み込んだJCWは、「運転が究極に楽しいミニ」として大成功を納め、2世代目にあたる現行型のミニにも設定されたのでした。
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