BMW MINI E 試乗レポート(2/3)

「クーパーS以上」に感じる加速性能

東京ビッグサイトの特設コースでは、アクセルワークに応じてすぐにトルクが立ち上がり、力強い走りを見せること、ステアリングを切った状態でラフにアクセルを開けるとトルクステアが出ること、アクセルを抜いたとたんに強力な回生ブレーキが働くことなどを確認した。

確かにこれらの特徴は、普通のガソリン車とはちょっと違ったもので、ガソリン車の感覚で走り出すとかなり強い違和感が感じられる。回生ブレーキなどは、あえて最大限にエネルギー回収をしたらどうなるのかを考えて設定したものであるようだ。

MINI Eの特徴を確認した上で一般道に出て走り出すと、まず感じるのは「相当に速い」という印象だ。

BMWでは、大量の電池を搭載することでMINI Eはミニクーパーに比べて350kgほど重くなっているため、性能的にはクーパーとクーパーSの中間くらいという説明であったが、前述のパワー＆トルクの数値が示すように、動力性能はかなり高いレベルにある。

瞬時にトルクが立ち上がる発進加速などは「クーパーS以上」といった印象があった。発進時にラフにアクセルを開けるとホイールスピンを起こすほどで、並大抵の性能ではない。

スピンが収まって走り出すと一直線に加速が伸びていく。文字通り「矢のような加速」で、たちまちのうちに法定速度に達する。

この加速感はガソリン車とは違った次元のもので、信号待ちなどで並んでいるクルマも発進した後はたちまちバックミラーの中で点になっていく。

単純に速さだけでいえばテスラのほうがもっと速くて恐怖を感じるくらいの加速感があったが、MINI Eもまた十分に速い。ちなみに公表されている数字は0-100km／h加速が8.5秒で、最高速はリミッターによって152km／hに抑えられているという。