MINI 2018年モデル海外試乗|スモールなMINIがビッグなマイナーチェンジ!(1/2)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:ビー・エム・ダブリュー株式会社
スモールなMINIがビッグなマイナーチェンジ!
1959年に登場し、約40年近く生産されたクラシック・ミニからその名を受け継ぎニュー・ミニが登場したのは2001年。BMWがローバグループを傘下にした当初は賛否があったものの、BMWグループのプレミアムスモールとして独自のキャラクターが評価され、気が付けば2世代に渡り進化を遂げ、現在はミニと言えばこちらを指す人のほうが多いくらいだ。その後、数々の派生モデルも生まれ“ミニワールド”を形成している。
そんな3世代目のミニ3ドア、ミニ5ドア、ミニコンバーチブルがマイナーチェンジ。その内容は内外装の変更はもちろん、ドライブトレインやコネクテッド技術のアップデートなど多岐に渡る。日本でも2018年5月17日に正式発表されたが、一足お先にスペインのリゾートとしても有名なマヨルカ島で試乗をしてきた。
新型MINIはデザインも変更、より”顔っぽい”デザインに
まずエクステリアではライト類を刷新。バンパーの変更はないものの、ヘッドライトを取り囲むリング型のデイライト(ウインカーの役割も担う)の採用によって、より人の顔に見えるオトボケな印象が微笑ましい。一方、テールライトも新デザインのLED式に変更。一目でわかるモチーフはミニの故郷であるイギリスの「ユニオンジャック」で、実は左右非対称のデザインだ。更にボディカラーは新色が3つ(オレンジ/ブルー/グレー)追加されたのもポイントだろう
一方、インテリアは新形状ステアリング採用や操作系のスイッチレイアウトを変更。ちなみに、シフトレバー根元にあったドライブモード切り替えダイヤルは操作性が悪いと言う指摘もあったようで、新型ではセンターパネルのトグルスイッチ内に移動。また、ナビを含めたインフォテイメント機能もタッチスクリーン式にアップデート、外部との通信機能の充実やスマホのワイヤレス充電など利便性や使い勝手も向上している。
エンジンとトランスミッションにパフォーマンス改善を見た
しかし注目すべきはメカニズで、主要モデルのトランスミッションを、6速ATからミニ初採用となる7速DCTに変更したことだ。シフトレバーはバイワイヤー式で操作がしやすいグリップタイプを採用した。
エンジンは排ガス/燃費を改善とアナウンスされている。スペックの変更はないが、トルクバンドが狭くなっているのが気になる所(クーパーは1250~4300から1480~4100rpm、クーパーSは1250~4600から1350~4600rpm、JCWは1250~4800から1450~4800rpm)。ちなみにベーシックなONEのみ直3-1.2リッターから1.5リッターに変更されている。
今回はクーパーSの3ドア(6速MT)/カブリオレ(7速DCT)に試乗したが、注目のDCTはカチッとしたダイレクトなフィーリングで、ミニのキャラクターを考えるとATよりふさわしい気がした。エンジンはトルクバンドが狭くなったようだが、乗っている限りはむしろ力強くなったと感じたくらい。恐らく伝達効率アップと変速ロスの低減、そして多段化によりエンジンのパフォーマンスをより引き出せているのだろう。
DCTはダイレクトなフィーリングの反面、発進時や常用域の再加速時にギクシャクする欠点を指摘する人もいるが、普通に乗っている限りはATと変わらない滑らかさである。ただ、欲を言えばもう少し“シフト感”の演出があってもいいように感じた。そういう意味で言えば、3ペダルの6速MTの存在価値はまだまだあると感じた。
この記事にコメントする