BMW 新型ミニクーパー(F56・3代目)試乗レポート/竹岡圭(2/2)

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:BMW Japan
BMW 新型ミニクーパー(F56・3代目)試乗レポート/竹岡圭
BMW 新型ミニクーパーS(F56)と竹岡圭さん BMW 新型ミニクーパーS(F56)試乗イメージ1 BMW 新型ミニクーパーS(F56)試乗イメージ2 BMW 新型ミニクーパーS(F56)試乗イメージ3 BMW 新型ミニクーパーS(F56)試乗イメージ4 BMW 新型ミニクーパーS(F56)試乗イメージ5 BMW 新型ミニクーパー(F56)試乗イメージ1 BMW 新型ミニクーパー(F56)試乗イメージ2 BMW 新型ミニクーパー(F56)試乗イメージ3 BMW 新型ミニクーパー(F56)試乗イメージ4 BMW 新型ミニクーパーS(F56)フロントエクステリア 画像ギャラリーはこちら

“ゴーカートフィーリング”がさらに強調された3代目新型ミニ

BMW 新型ミニクーパーS(F56)走行イメージ1BMW 新型ミニクーパーS(F56)走行イメージ3

さて、クラシックミニからのルーツと言えば、それは走りによって表現されていたと言っていいだろう。

今回試乗できたのは、直噴3気筒1.5Lターボエンジンを搭載する「クーパー」と、直噴4気筒2Lターボエンジンを搭載する「クーパーS」の2種類だが(ONEは本国でも後日加わる予定)、どちらも先代となる2代目ミニよりも、かなりゴーカートフィーリングが強調された味付けになっていた。

ちなみに今回の国際試乗会の会場、プエルトリコの首都サンファン近郊は、道幅が狭いクネクネ道が続くところで、路面がかなり悪く、穴ボコもそこら中にあるというシチュエーション。コンフォータブルさが主体のクルマだったら、避けたいような試乗環境の中、「ミニだからこそこんなところだって行けちゃうもんねぇ~!」と歓声を上げたくなるような走りを披露してくれたのだ。

とはいえ、ミニと言えば歴代モデルともに、たーくさんオプションが用意されているのが特徴となっており、今回は走りに関するオプションも多数用意されているので、それによって走りはかなり変わる。足回り系でいちばん大きな差となるのは、『ダイナミック・ダンパー・コントロール』で、今回はクーパーSにのみ装着されていた。

正直なところ、コレがついていないと、乗り心地はかなりカタイ。つまりコレがついていないクーパーはカタイので、お馴染みだった初代と2代目の中間くらいの乗り心地といったところである。いい意味で、よりミニらしい個性が強調された味付けと言っていいだろう。

BMW 新型ミニクーパー(F56)走行イメージ2BMW 新型ミニクーパー(F56)走行イメージ4BMW 新型ミニクーパー(F56)走行イメージ7BMW 新型ミニクーパー(F56)走行イメージ1BMW 新型ミニクーパー(F56)

楽しさと乗り心地を両立できる『ダイナミック・ダンパー・コントロール』

BMW 新型ミニクーパーS(F56)試乗イメージ2BMW 新型ミニクーパーS(F56)試乗イメージ4

コーナリング性能は、コーナリング・ブレーキ・コントロールなども後押ししてくれるため、もうグイグイ曲がる。わざとステアリングを切り遅れてみても、それこそオン・ザ・レール感覚でグイグイと、いとも簡単に曲がっていってくれる。しかもステアフィールは、これまでのダイレクト一辺倒というフィーリングから、しっとり感を持ったものとなっており、触感からも進化が伝わってきて楽しい。しかしこの路面状況では、走りは楽しいが乗り心地はやはりカタイのだった。

そして、このグイグイ楽しい感覚はそのままに、乗り心地を快適なものに変えられるのが、クーパーSに装着されていた『ダイナミック・ダンパー・コントロール』なのである。これはアクセルペダルの反応、ステアリング特性マップの変化、ATのシフトスケジュール、エンジンの出力コントロールとともに変化する。ミニドライビングモードと名称がつけられ、GREEN→MID→SPORTの3段階からチョイスできるが、乗り心地は2段階でしか変わらない。GREENとMIDは同じ、SPORTのみハードとなり、ダンパーバルブの電動制御によって変化する。このGREENとMIDの乗り心地なら、プエルトリコのかなり荒れた路面でも快適に走れるレベルの走行性能が約束されているのだ。さすがは、先代からの共用部品はひとつもないという、オールニューのベースのよさと、賢い電子制御の合わせ業である。

BMW 新型ミニクーパー(F56)試乗イメージ4BMW 新型ミニクーパー(F56)エンジンルーム1

個人的には、この超ラフな路面と、「早いもん勝ち!」とばかりに他車が飛び出してくる交通状況では、ペダルレスポンスもロードインフォメーション性も高いSPORTよりも、MIDの方がラクに操れる感覚だった。

ちなみに今回は、2Lターボエンジンを全開でクルージングできるような高速セクションはなかったが、より感心させられたのは、3気筒と聞くと気になる振動も少なく、ミニらしく高回転域を重視した気持ちよい吹け上がりを持つ1.5Lターボエンジンだった。低速域のトルク感は2Lターボエンジンの方がもちろん上だが、低回転域のトルクよりも、高回転域のパワフルさを重視した味付けに、いい意味でまたミニらしさを強く感じさせられたのだ。

他に3世代目ミニには、安全装備を始め、快適インテリア装備まで、自分だけの1台を作り上げられるほどの装備が用意されており、とてもここには書ききれないのが残念だが、とにもかくにも日本上陸がさらに楽しみになったプエルトリコでの先行試乗だった。

BMW 新型ミニクーパー/新型ミニクーパー S 主要諸元

BMW 新型ミニクーパーS(F56)と竹岡圭さんBMW 新型ミニクーパーS D(F56)・BMW 新型ミニクーパーONE D(F56)走行イメージ1

【新型ミニクーパー】

全長x全幅x全高:3821x1720x1414mm/ホイールベース:2495mm/車両重量:AT 1085kg/MT 1115kg/トランク容量:211L/乗車定員:4名/エンジン種類:直噴1.5リットル直列3気筒ターボ/総排気量:1499cc/最高出力:136ps(100kW)/4500-6000rpm/最大トルク:220N・m/1250rpm/タイヤサイズ:175/55 R17 84H/ホイールサイズ:5.5J×15

【新型ミニクーパー S】

全長x全幅x全高:3850x1727x1414mm/ホイールベース:2495mm/車両重量:AT 1160kg/MT 1175kg/トランク容量:211L/乗車定員:4名/エンジン種類:直噴2.0リットル直列4気筒ターボ/総排気量:1998cc/最高出力:192ps(141kW)/4700-6000rpm/最大トルク:280N・m/1250rpm/タイヤサイズ:195/55 R16 87W/ホイールサイズ:6.5J×16

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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