ミニ クーパーS 海外試乗レポート(2/3)

ミニ クーパーS 海外試乗レポート
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新型ミニはホットグレード「クーパーS」からリリース

快晴のスペインはバルセロナ。その郊外のカヌー競技場にズラリと並べられた“新型ニュー・ミニ”は、その全てが過給機付きエンジンを搭載した最もホットなグレードであるクーパーSのMT仕様車で揃えられていた。従来型では非力な(?)自然吸気モデルからのリリースであったのに対して新型が逆にこうして最も熱い仕様から世に問う理由は、「それが一番インパクトのあるモデルだから」と開発担当エンジニア氏の答えは明快。ブルーのテスト車が標準仕様で、レッドは1インチ増しのシューズを履いたスポーツ・サスペンション付き、というラインナップだ。

ホイールベースに変更はないものの、全長は従来型比で60mmのプラス。そしてその過半は「エンジンルームを拡大してより大きな心臓の搭載を可能とした事と、新たに歩行者保護構造を採り入れた事で、フロントセクションが伸びた事に費やされた」と前出のエンジニア氏。さらに暴露(?)をすれば、そんな氏の口をして出たのは「そもそも今回のモデルチェンジの主目的は、“BMW製のエンジン”を積む事と最新の歩行者保護ボディ構造を採用する事で、それ以上の望みはなかった」(!)というコメント。すなわち、そこにはそもそも従来型のデザインに新たなイメージを加えようなどといった目論見は存在をせず、だからこそそんな新型を目にする人が「代わり映えしない」という印象を抱くのも当然なのである。

そうは言っても、一度コツをつかんでしまえば(?)新旧両モデルを見分けるのはもちろん不可能ではない。例えば、フロントのウインカーレンズがバンパー上に露出するのが従来型でヘッドライト・ユニット内に収まるのが新型。リア・コンビネーションがスリムに縦長なのが従来型でやや幅広なのが新型・・・と、これ以外にも様々な見分けのポイントは存在をする。

一方のインテリアは多少代わり映えが大きい印象。その最たる理由はダッシュボード・センターに置かれた“クラシック”時代からのアイコンでもある円形のスピードメーターが、もはや「巨大!」と表現出来るほどに一層の拡大をされた事。従来型ではオプション・アイテムのナビゲーション・システムを装着すると、スピードメーターは小径でステアリングコラム付けのものへと交換を余技なくされたが、今度はモニター画面の周囲の円周上に目盛りを配した事で、これを選択してもセンターメーターを諦めずに済むようになったのは朗報だ。

前述のようにホイールベースが不変なので居住スペースの大幅なアップは望むべくもない。が、それでもセンターコンソールがスリム化したりフロントのシートバック裏側の形状を見直す事などで、より幅広い体型の人にマッチが可能となった。面圧分布が今ひとつでサイズも小振りだったため、長時間ドライブを続けると腿裏に疲労を感じやすかったフロントシートが、今度はそうした機能性そのものをアップさせたのは従来型ユーザーには悔しいポイントだろう。

ところで、そんな新型のデザインにまつわる裏話(?)は、クーパーSに採用のフード上のエアスクープに関して。従来型同様のこのアイテム、実は肝心の穴が開いていない(!)。「デザイン開発当初はエンジンルーム内の冷却に必要と思われたものの、その後はこれが無くても必要な条件が満たせる事が判明。それでもクーパーSのアイコンとして残したが、穴を開けると空力性能が低下するので敢えて樹脂パーツで蓋をした」というのがその真実だ。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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