メルセデス・ベンツ Eクラスクーペ 試乗レポート/森口将之(1/4)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:小宮岩男
CLKの後継にあたる新型Eクラスクーペ
メルセデス・ベンツEクラスにクーペが復活した。そう、復活である。3世代前のEクラス、ヘッドランプが丸型になる前のW124型までは、このクラスのクーペが存在していたのだから。
それが消えたのは、代わりにCLKが出たからだ。2世代続いたCLKは、プラットフォームはCクラスの流用としており、ボディやインテリアのデザインもCクラスとの共通項が多かった。でも価格はセダンよりかなり高価だったから、少なくとも日本での人気はいまひとつだったようだ。
EクラスクーペはこのCLKの後継車である。それを証明するのがボディサイズで、全長4,705mm~4,715mm、全幅1,785mm、全高1,395mmという数字。CLKより大きいが、Eクラスセダンの4,870mm~4,880mm×1,855mm×1,455mm~1,470mmと比べると、かなり小柄だ。
それもそのはず、Eクラスクーペのプラットフォームは、Cクラスの発展型なのである。セダンより115mmも短い2,760mmのホイールベースは、Cクラスと同一だ。
しかしこの面だけを取り出して、新型クーペがセダンより格下のクルマだと判断するのは間違いだと思う。そもそもクーペという言葉はフランス語の「切る」を示す動詞couperの過去分詞が語源で、セダンのボディを短く「切った」パーソナルカーやスポーティカーのことだ。小さくて当然なのである。昔のEクラスクーペもホイールベースをセダンより縮めていた。新型はその考えを発展させたものといえる。
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