メルセデス・ベンツ A 45 AMG/CLA 45 AMG 試乗レポート/今井優杏(1/2)

メルセデス・ベンツ A 45 AMG/CLA 45 AMG 試乗レポート/今井優杏
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AMGとはスポーツモデルの頂点であると同時にラグジュアリーの頂点

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実は見た目ほど厚顔ではない私ではあるのだが、そんな私も今回ばかりはひどく緊張した。こんな仕事に就いていて言うのもナニだが、試乗会の前に胃が痛くなるほどのプレッシャーを感じるクルマなんていうものがあるなんて、考えてもみなかった。

しかもそのプレッシャーが試乗を終えた今、意外なほどアッサリと爽快に裏切られたということにも驚いている。

初夏を迎えたドイツにて行われた、日本未導入であるふたつのスペシャルなモデルの国際試乗会に参加した。

かねてよりその存在が大いに話題に上がっていたA 45 AMG、そして今年春、ニューヨーク国際モーターショーにて世界発表されたCLA 45 AMGだ。

試乗会にはダイムラーAG取締役会長 兼 メルセデス・ベンツ・カーズ統括 ディーター・ツェッチェ会長も出席し、なんとスペシャルゲストにF1ドライバーのルイス・ハミルトンが登場した。

どれだけ気合いが入ったモデルなのか、私の緊張もこれで窺い知っていただけただろうか。

読者諸兄もよくご存知の通り、AMGはメルセデス・ベンツの最上級高性能チューニングモデルだが、その歴史の中でコンパクトクラスに設定されたことはなく、今回が初めてとなる。そして今回用意された2台はAMGにおいてユニットを共用する兄弟車となる。もちろんボディサイズの相違から全くの同ユニットというワケではない部分も存在するが(エンジニアいわく、CLAのボディーの長さから、エキゾーストシステムのみ構造を別にしているという)。

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気になるナカミだが、搭載されるエンジンはツインスクロール・ターボチャージャー付き2.0リッター4気筒。

…と聞くと「え、AMGなのに、そんなちっちゃいエンジン積んでんの?」と拍子抜けするような気もするが、そこはさすが天下のAMGである。数値の方はきちんとぬかりなくサプライズを用意した。なんと最高出力265kW/360hp(!!)、量産4気筒としては世界最強の数字を叩き出す。

「じゃあモデルに冠された45の文字はなんやのん、最近よくある“4.5リッタークラス相当の…”とかいうふわっとした数字と違うやろな」と鼻白む皆さん、ご安心あれ。きちんと根拠は存在する。なんと最大出力が450Nmなのだった。はぁ、そうきましたか、という感じである。でもまぁ、それでも試乗の後ならなるほどねとその上質な走りで納得させられてしまうのが憎らしくも素晴らしい。

今回の試乗で実感したのは、AMGとはスポーツモデルの頂点であると同時にラグジュアリーの頂点でもあるということ。

特にこのコンパクトクラスへのAMGモデルの投入は、2017年に控えた創業50周年に錦を飾るべく用意されたロードマップの一部分でもあるので、これまでにAMGに憧れつつもスペックや価格で購買には至らず、むしろ敬遠していた若年層へのアプローチのために設定されていると位置づけられているため、AMGの中でもハンドリングが易しく、誰が乗っても上手に運転出来るような方向に制作されている。

言い換えればAMGである以前に完璧にメルセデスなのだ、ということにもなると言える。

会話を邪魔しないほどには控え目、しかし心を煽る程度には好戦的なサウンド

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試乗ステージはドイツの都市・ハノーヴァー空港を拠点とした速度無制限区域を含むアウトバーンから、法定速度130km/h区間を含むワインディングの一般道。そして車両をチェンジし、今年オープンしたばかりのミニサーキットでの走行となった。

このミニサーキット“Bilster Berg Drive Resort”は元NATO軍の施設を転用し、7年間の構想を経て作られていて、連続するブラインドコーナーとアップダウンの激しさから“リトル ニュルブルクリンク”と呼ばれている。設計はあのヘルマン・ティルケが担当し、全長4.2kmながら相当にエキサイティングだ。

まず一般道ではCLA 45 AMGとA 45 AMGに試乗したが、どちらも静粛性がとにかく素晴らしい。むしろノーマルモデルのAクラスよりもコンフォートに感じるほどだった。

いや、人によっては静けさを感じないかもしれない。なぜならば少しでもアクセルペダルに足を乗せれば、さすがレーシングモデル!と膝打ってしびれるくらいに野太いサウンドが室内に響き渡るからだ。

会話を邪魔しないほどには控え目、しかし次のコーナーを目指して高揚する心を煽る程度には好戦的なサウンドだ。このサウンドも今回のAとCLAのために用意したもので、Sクラスなど先発モデルとは一線を画しているという。

静かに感じたのは路面からの異音、ノイズ、ばたつきが微塵もないこと。ロードノイズというやつはとにかく神経を逆撫でする周波数を出すのだなぁということに逆に改めて気付かせてくれた。

日本では考えられない速度域のワインディングに差し掛かったときに感じたのは連続カーブでのロールの少ないフラット感だったのだが、これはスポーツサスペンションの恩恵だ。

フロントが3リンクの専用セッティングで、リアの4リンクは新開発となる。リアのサブフレームはボディに接合されていて剛性の強化にも貢献、専用チューニングをしたスプリング+ダンパーユニットはスタビライザーが大型化されている。

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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