マツダの「ディーゼル」、独自路線で業界の非常識を常識に変えた(1/2)

マツダの「ディーゼル」、独自路線で業界の非常識を常識に変えた
SKYACTIV-D 2.2 SKYACTIV-D 2.2 ディーゼルエンジン マツダ CX-5 マツダ CX-5 商用ディーゼル車イメージ画像 SKYACTIVを初採用した先代デミオ マツダ CX-5 マツダ CX-5 マツダ CX-5 マツダ CX-5 シャーシ SKYACTIV シャーシ 画像ギャラリーはこちら

マツダの先進技術「SKYACTIV(スカイアクティブ)」とは

マツダ CX-5プロトタイプ

フォルクスワーゲンの排ガス不正問題発覚から間もなく1カ月、今なお騒動はメディアを賑わせている。当初より懸念されていたのが「VW以外のメーカーのディーゼルは果たして大丈夫なのか」という点だ。

今回は国内販売台数の半分強をディーゼル車が占めるマツダの先進技術「SKYACTIV(スカイアクティブ)」を取り上げてみたい。

スカイアクティブの話を初めて聞いたのは2009年の東京モーターショーが終わったころのことだ。当時の専務と一献傾けながらあれこれと質問を重ねたが、開発中の技術だけに具体的な答えは何も出てこない。

ただ、興奮気味に「とにかく世界をアッと言わせる」と語るだけだった。

【画像ギャラリーはコチラ】

マツダが世界の自動車業界の非常識を常識に変えた

マツダ CX-5プロトタイプSKYACTIV-D 2.2 ディーゼルエンジン

2年後の2011年、ベルリンのテストコースで、アテンザのプロトタイプに乗った。スカイアクティブを搭載した極秘の試作車だ。このときに初めて「なるほど、専務はこれが言いたかったのか」と合点がいった。特にディーゼルの走りの素晴らしさが印象に残った。

しかも、窒素酸化物(NOx)を後で処理する触媒がなくても日本のポスト新長期規制をクリアできると聞き、椅子から転げ落ちそうになった。

私は2002年から経産省「クリーンディーゼル乗用車の普及・将来見通しに関する検討会」の委員を務め、数少ないディーゼル推進派として提言を重ねてきた。

マツダは以前から「NOxの後処理なしでポスト新長期をクリアしたい」と言っていたが、それが本当に実現したことになる。しかも、圧縮比を14まで下げた。ディーゼルは自着火エンジンなので、圧縮比を下げると燃えなくなる可能性がある。

もし燃えなかったら、テールパイプから真っ黒い煙が吹き出し、一発退場のレッドカードで大リコールになるだろう。それでもNOx後処理なしで世界一の圧縮比を実現できたのは、緻密な制御ができているからだ。

マツダはスカイアクティブのディーゼルエンジンによって、世界の自動車業界の非常識を常識に変えたのである。

VWの場合は、ディーゼルのNOx処理に高価な白金を使用するNOx吸蔵触媒方式や、適宜尿素水を補充しなければならない尿素SCRを採用していた。これらの技術自体は問題ないのだが、NOx処理をすることで、燃費や走行性能が犠牲になってしまう。

だから、排ガス試験のときだけNOx処理を行い、通常走行のときは排ガス処理機能をオフないし制限するためのデバイスを搭載したのだろう。

1 2 次へ

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

検索ワード

清水 和夫
筆者清水 和夫

1954年生まれ。1972年のラリーデビュー以来、国内外の耐久レースで活躍する一方、モータージャーナリストとして、自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。近年注目の集まる次世代自動車には独自の視点を展開し自動車国際産業論に精通する。一方、スポーツカーや安全運転のインストラクター業もこなす異色な活動を行っている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

マツダの最新自動車ニュース/記事

マツダのカタログ情報 マツダの中古車検索 マツダの記事一覧 マツダのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる