ロータリーエンジンのチューニングで知られるRE雨宮(あめみや)は、日本のチューニングショップの草分け的存在の一つで、スーパーGTやD1グランプリへの参戦など多方面でも活動してきた。
古くから東京オートサロンに出展する常連で、毎年同社が得意とするロータリーエンジン(RE)搭載のチューニングカーを展示している。
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そんなRE雨宮といえば、3代目RX-7(FD3S型)による長期にわたるレース活動やD1グランプリ参戦を思い浮かべる人も多いと思う。今回もメインブースには、RE雨宮ブルーに塗られた2台のRX-7が展示されていた。
ブース内の左側はD1グランプリ参戦用マシン「K&N D-1 RE4ROTOR」で、エンジンは2017年仕様の20B型3ローターエンジンから13B型×2で4ローター化!
さらにターボによって800馬力以上を絞り出すモンスターREに進化している。排気量は13Bが654cc×2なので2616ccだ。
ちなみに1991年のル・マン24時間レースで優勝したマツダのグループCマシン「787B」の4ローターエンジン「R26B」も同じ排気量だ。
D1マシンの右には「X-RESPONSE-7」が。こちらは公道走行が可能なチューニングカーだ。
スーパーGT参戦のノウハウが投入されたRX-7用エアロはRE雨宮の得意とするところ。「X−RESPONSE-7」ではそれをさらに美しく、しかも大胆に磨き上げた印象を与える。
13B型エンジンはRE雨宮によってチューニングされ、GCG製T04Z タービン、Link製 ECUなどにより500馬力までパワーを高めている。
RX-7が置かれていたメインブースの向かいに停められていたクルマにも注目した来場者も多かったことだろう。
それは、マツダのロータリーエンジンを初搭載した名スポーツカー「コスモスポーツ」をカスタマイズした「RE雨宮 COSMO SPORTS 13B」だ。
世界で初めてロータリーエンジンを実用化したマツダは、ロータリーエンジンを積んだ量産モデルとして知られるコスモスポーツを1967年から発売した。
この時搭載された10A型エンジンは491cc×2の排気量から110馬力を発生した。1968年にはマイナーチェンジを受けて後期型となり、ホイールベースが150mm延長されるなどボディシェルに手が入ったほか10A型エンジンも128馬力までパワーアップされた。
RE雨宮が手を入れたモデルは、コスモスポーツ後期型(L10B型)にRX-7やRX−8でおなじみの13B型エンジンに初代RX-7(SA22C型)のトランスミッションを組み合わせたパワートレーンを移植。ウェーバーキャブレターやRE雨宮製のエキゾーストマニホールド、ワンオフマフラーなどでチューニングされている。
外観も21世紀のカスタムカーらしく、ブレンボ製ブレーキやエンケイ製16インチホイール、IPF製(RE雨宮デザイン)テールランプでアップデートが施され、オリジナルの美しさを最大限生かしつつ現代にも通用するクルマになっている。
インテリアも抜かりはなく、BRIDE製バケットシート、RE雨宮によるダッシュパネルと内装の張り替えによってクラシカルな中にも新しさを感じさせる仕上がりを見せていた。
[Text:遠藤イヅル/Photo:島村栄二]
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