【比較】マツダ アテンザセダン クリーンディーゼル vs BMW 3シリーズディーゼル どっちが買い!?徹底比較/渡辺陽一郎(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
マツダ アテンザセダン クリーンディーゼル vs BMW 3シリーズディーゼル/動力性能対決
次に、動力性能を比べてみよう。アテンザセダンのクリーンディーゼルターボは、排気量が2.2リッターで最高出力は175馬力(4500回転)、最大トルクは42.8kg-m(2000回転)だ。
BMW 320dは2リッターで、184馬力(4000回転)/38.7kg-m(1750~2750回転)。トルクの数値はアテンザが上まわり、2000回転前後の駆動力にも余裕が生じるが、BMW 320dも十分な動力性能を発揮する。回転感覚もディーゼルでは軽快だ。
むしろ注意したいのはノイズだろう。アテンザはディーゼルの音と振動を抑え込んだが、BMW 320dは低回転域で特有の金属音を響かせる。往年のディーゼル乗用車やSUVを知っている世代には懐かしいが、若いユーザーは違和感を持つかも知れない。
その点、アテンザはディーゼル車の欠点をかなり払拭させている。
マツダ アテンザセダン クリーンディーゼル vs BMW 3シリーズディーゼル/走行安定性対決
走行安定性と操舵感の味付けは、両車とも似ている。小さな舵角から車両が正確に向きを変え、コーナーに入っていくと自然に回り込む。この時に危険に遭遇してアクセルペダルを戻したり、ブレーキを作動させても、挙動を乱さないように配慮した。
今は世界中の乗用車が、足まわりや走行安定性についてはこの傾向を目指している。
この共通点を踏まえた上で比べると、BMW 320dは操舵に対する反応が機敏だ。後輪駆動を採用し、前後輪の重量配分が優れていることもあり、機敏な操舵感を実現できた。
ただしリラックスして走りたい時は、ダイレクト感が少し強すぎて気になる場合もある。
アテンザセダンの操舵感は、BMWほど個性的ではないが親しみやすい。
マツダ アテンザセダン クリーンディーゼル vs BMW 3シリーズディーゼル/燃費対決・総評
JC08モード燃費は、アテンザセダン XDの6速AT仕様が「20km/L」。BMW320dの8速AT仕様が「19.4km/L」。BMWはドイツ車だから日本の燃費基準には不慣れだが、8速ATの採用もあって優れた数値を達成した。
価格はアテンザセダン XD プロアクティブ(6速AT)が「327万7,800円」、最上級になる衝突回避の支援機能や本革シートなどを備えたXD・Lパッケージ(6速AT)が「374万2,200円」になる。BMW 320dは、ベーシックな320dが「506万円」、320d・Mスポーツが「551万円」だから、ドイツ車とあって価格は相応に高い。
グレード展開で注目したいのは、アテンザセダン XDの場合、メカニズムの組み合わせが多彩なこと。トランスミッションには6速ATと6速MTがあり、さらに駆動方式も2WDのほかに4WDを用意した。
「クリーンディーゼルターボ+4WD+6速MT」を選べるセダンは、少なくとも日本ではほとんど手に入らないだろう。BMW 320dは後輪駆動を採用したこともあり、軽快なスポーティ感覚を突き詰めている。
アテンザセダンは後席の座り心地などを含めて、スポーティでありながら同乗者にも親しみやすい。加えて価格も割安で、いろいろなニーズをバランス良く満たしている。
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