ランドローバー ディスカバリースポーツ&ヴェラール雪上試乗レポート|最新技術による極上の安心感を体感(2/2)
- 筆者: 伊藤 梓
- カメラマン:茂呂 幸正
ツルツルの氷上でヴェラールの「テレインレスポンス」を試す!
次の日の朝、昨日の雨とは打って変わって青空も見える良いお天気に。今日の相棒はレンジローバー ヴェラール R-DYNAMIC HSEだ。
「昨日の妄想を少しでも叶えるためにスキー場へ行くぞ」と走り出した瞬間、ヴェラールの包み込むような上質な感触に驚いた。ディスカバリースポーツも良かったが、ヴェラールはまた一段と高みに昇った感がある。
「ランドローバーならディーゼルの方が雰囲気出るよねぇ」と思っていたが、ヴェラールに搭載された3リッターV6スーパーチャージャーエンジン(380ps/450Nm)の緻密で滑らかなトルクの出方に「いやこれ、最高です」と慌てて訂正した。
乗り心地もまるで静かな水面を行く舟のように、スーッと道路を滑っていく。「とろける……」思わず口にしてしまうくらい、体に密着してくるようなクルマだと思った。口の中に入れた瞬間、表面がふわりとゆるむとあっという間に溶けてしまう、高級なチョコレートを想像した。
ヴェラールにとろけかかっていると、いつの間にかスキー場に到着。昨日の雨もあったせいか、押し固められた雪が凍っていて、さらにその上に水膜ができているという、クルマを滑らせるにはうってつけのコンディションになっている。
さすがに今回はテレインレスポンスをオンにして「草地/砂利/雪」モードを選んだ。すると、アクセル操作に対してトルクの出方が制御されるので、アクセルを踏んでもタイヤが空転しない。
ほぼ氷上のようなこの路面でも、ラフな操作さえしなければ着実に進んでいくことができる。どこかのタイヤが滑ってしまっても、すぐ体勢を立て直してくれるので安心感は抜群だ。
クルマを降りた途端につるつるの路面で転びそうになったので、こんな路面でもよく走れるなぁと感心。オフロードでもオンロードでも優雅に走り切ってしまうところはさすがランドローバーだ。
上質な乗り心地に疲れ知らず
雪山から終着点の長野駅へとヴェラールを走らせている間も、うっとりした気分は変わらず。むしろこのまま東京まで乗って帰りたいとさえ思った。
そんな中、昨日のホテルの露天風呂をぼんやり思い出す。露天風呂のふちに腰掛けて空を見ていると、雨雲の隙間から月が覗いていた。
しとしとと雨が上半身を打つのだが、足は温泉に浸っているので、体は芯からあたたかいまま。ランドローバーのモデルはこれとよく似ている。自然の息吹を肌でありありと感じながらも、自分自身はあたたかく守られている感覚。そんな風景を思い出すにつけて、またランドローバーとともに遠くまで足を伸ばして色々な景色を見てみたいと思った。
[筆者:伊藤 梓 / 撮影:茂呂 幸正]
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