マクラーレン・ホンダ、後半戦でいきなり魅せた確実な進化!来年には表彰台狙う!(1/2)
- 筆者:
- カメラマン:本田技研工業
ベルギーGPでF1GP後半戦の幕開け
夏休みを挟んでF1GPが後半戦に突入した。21戦で行なわれる2016年F1GP後半戦の幕開けは、8月28日に決勝レースを行なった第13戦ベルギーGP。会場のスパ-フランコルシャンは、高低差もあり、心臓破りの高速コーナーが連続する名うての難コースだ。
そこを舞台に、今年もスペクタクルなレースが展開した。ベルギーGPのドラマの主役のひとりが、パワーユニットに新たな“タマ”を仕込んだマクラーレン・ホンダだった。フェルナンド・アロンソが7位に食い込んだのだが、実はアロンソ、ビリからのスタートだった。
つまり、7位は15台を抜いた順位。スタートでフェラーリが同士討ちをして後退、絶好調でブイブイいわせている18歳の最年少F1GPウィナーのマックス・フェルスタッペンも、フェラーリの同士討ちに巻き込まれて後退していたが、好天に恵まれたベルギーGPの週末を通して、マクラーレン・ホンダは確実に進化したことを証明した。
前半戦の終盤、7月24日の第11戦ハンガリーGPで、トップ3のメルセデス、フェラーリ、レッドブルが全車生き残った中で、マクラーレン・ホンダは週末のすべてを7位でまとめているが、ハンガリーGPのオンガロリンク・サーキットは、パワーユニットの力はさほど大きく影響しないレイアウトだった。
コース特性が似たような日本GPに期待も
それに対してベルギーGPの会場スパ-フランコルシャンは、エンジンの全開時間が長く、アップダウンのある高地。パワーユニットの能力がタイムに大きく影響することから、ホンダにとって苦手な部類に入れられていた。そこで、アロンソは、ビリからスタートして7番手に食い込んだのだ。
アロンソがビリだったのは、スケジュール初日の金曜日に、新たな“タマ”を入れてポテンシャルアップしたパワーユニットにトラブルが発生、載せ換えたことでペナルティを食らったためだった。
同じく、メルセデスに乗る優勝候補の筆頭ルイス・ハミルトンも、同じくパワーユニットの乗せ替え、アロンソの隣の最後列からスタートすることになっていた。アロンソは、それを引き合いに出して、“隣からスタートするルイスは、たぶん速いだろうから、ロープで縛って引っ張ってもらいたい”とジョークを飛ばしていた。
が、なんと!引っ張ってもらうどころか、スタートで22番手からダッシュを決め、フェラーリの同士討ちで混乱した1コーナーを巧みにクリアーして1周目にいきなり10番手!!その後しばらく、最強のハミルトン×メルセデスを引き連れて、一時は4位を走っていた。
結局、タイヤ選択やそのタイミングなどもあって、終盤にフェッテル×フェラーリやペレス×フォースインディアに抜かれはしたが、7位入賞は、存在感を示す成績だった。ホンダF1レーシングの長谷川祐介F1プロジェクト総責任は、「表彰台やトップ争いは来年でしょうね」とコメントしていたが、とはいえ、スパ-フランコルシャンの活躍は、パワーユニットの進化があってこその結果。となると、コース特性が似たような日本GPの舞台に想いを巡らせる効果があった。
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