スペインGPから調子を上げてきた復帰2年目のホンダF1に追い風が吹き始めた(2/3)
- 筆者: 山口 正己
- カメラマン:本田技研工業
10位以内でも簡単ではない
予選は単純な速さが試されるが、10番以内というのはそれほど簡単ではない。
現状では、メルセデス、フェラーリ、レッドブルですでに6台、去年の実績からいくと、そこにウィリアムズとフォースインディア、そしてトロロッソが続いて、つまりマクラーレン・ホンダの前には、6チームそれぞれ2台=12台がいる。
つまりマクラーレン・ホンダはその後ろの13番手という計算がこれまでの速さだと妥当だった。
開幕戦のオーストラリアでアロンソとバトンが予選11番手と12番手だったときに、すでに去年より、相対的なポテンシャルが上がっていることが見えた。
しかし、そこから上にはなかなか上がれなかった。上位になればなるほど力が拮抗し、ひとつポジションを上げるのも簡単ではなくなる。
まだまだ充分なモチベーションもある
そんな中、第5戦のスペインGPでアロンソがQ3進出を果たした。
実は、スペインGPの舞台となるカタルニア・サーキットは、低速から高速までさまざまなタイプのコーナーがレイアウトされ、ここで速いマシンは、他のサーキットでも速いといわれている。
例えば、モナコのような狭く曲がりくねって低速のコースでは、ドライバーの力量が速さのかなりの部分を担うのだが、カタルニア・サーキットは、マシンのポテンシャルがあってこそタイムが出るコース。
ここでQ3に入れたマクラーレン・ホンダの力は、明確な進化を証明していた。
それに加えて、続くモナコGPはドライバーのポテンシャルがタイムを左右することから、やる気を懸念されていたアロンソに、まだまだ充分なモチベーションがあるこも確認できた。
カナダGPでは、ジェンソン・バトンが大型化したターボのトラブルで僅か9周でリタイアしたが、これとて挑戦した結果。決して後退ではなかった。ここが挑戦初年度には見られなかった進化の証と言っていい。
モナコGPを前にして、マクラーレンのエリック・ブーリエ代表が、「マクラーレンのシャシーポテンシャルはメルセデスとレッドブルに続いて3番目だ」と豪語したと話題になった。
「マクラーレンは、自分のことを棚に上げて成績が悪い事をホンダになすりつけようとしている」と。
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