スペインGPから調子を上げてきた復帰2年目のホンダF1に追い風が吹き始めた(1/3)
- 筆者: 山口 正己
- カメラマン:本田技研工業
復帰2年目のホンダ
復帰2年目のホンダが、5月末のスペインGPから調子をあげてきた。もちろん、セナとプロストの黄金コンビを中心としたマールボロ・カラーの最強時代には比べるべくもないけれど、少なくとも、箸にも棒にもかからなかった復帰初年度の去年に比べれば、格段の進歩だ。
もっとも、復帰初年度に高度で厳しいF1GPで好成績を上げろというのはもともと無理な話で、経験を積んだ2年目以降に成績が上がってくるのは当然といえば当然たが、ではあっても、マクラーレン・ホンダの活躍に少しだけ期待できるポジションにきたと言ってよさそうだ。
だからといって、直ぐに優勝争いができるものではない。闘いの場はモータースポーツ世界最高峰の「F1」、一筋縄でいくようでは挑戦の意味もない。ともあれ、6月12日に決勝レースを終えたカナダGPまで、今シーズン序盤の闘いを振り返ると、マクラーレン・ホンダの成績は、表のようになる。
ホンダが今年の目標をQ3進出と決めたのは正しい認識
第2戦で、開幕戦のアクシデントの影響で欠場が決まったフェルナンド・アロンソの代役として、突然F1デビューが決まったストフェル・ヴァンドーンがホンダF1復帰後初入賞を飾った。
1戦置いたロシアGPでは、ジェンソン・バトンが入賞。そしてフェルナンド・アロンソが母国スペインGPで、今シーズンの当面の目標だったQ3進出を果たし、ジェンソン・バトンも続いた。アロンソはそこから3連続でQ3進出を果たしている。
ホンダが今年の目標を、10台に絞られるQ3進出と決めたのは実に正しい認識だった。もちろん最終的には表彰台や優勝を狙うことが肝心だが、決勝レースは長時間走ることから不確定要素が入り込む。
雨も降れば気温も変化し、なかなか想定通りにはならない。しかし、予選は決勝に比べれば不確定要素が入り込みにくく、マシンポテンシャル通りの順番になる。だから予選順位を最初のターゲットにしたのは正解だったのだ。
決勝レースは、人知を尽くしていいレースにするように闘う。『結果は時の運』だからだ。
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