ホンダ 新型 オデッセイ[5代目] 新型車解説 ~初のスライドドア採用でイメージ一新~(2/3)

ホンダ 新型 オデッセイ[5代目] 新型車解説 ~初のスライドドア採用でイメージ一新~
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新設計の2列目キャプテンシート「プレミアムクレードルシート」の秘密に迫る

ホンダ 新型オデッセイ アブソルート EX(FF)インパネホンダ 新型オデッセイ アブソルート EX(FF)インテリア

低床設計の良さが分かったところで、次は車内に入る。

新型オデッセイのインパネは水平基調で機能的。メーターは大きくて視認性に優れ、左側にはカーナビの画面を配置する。ATレバーの位置も適切だ。左脇のエアコンスイッチはやや横長で、左端を操作する時は手を伸ばす必要はあるが支障はないだろう。

フロントシートは車内の移動性も考えてセパレートタイプを採用。サイズに余裕があり、バックレストの下側は腰を包む形状でサポート性も良い。座り心地には十分な柔軟性を持たせた。

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ホンダ 新型オデッセイ アブソルート EX(FF)2列目プレミアムクレードルシートホンダ 新型オデッセイ クレードル機構作動イメージ

注目されるのは2列目シート。販売の主力となるグレードには7人乗りと8人乗りがあり、8人乗りは一般的なベンチタイプだが、7人乗りには「プレミアムクレードルシート」が備わる。7人乗りは8人乗りよりも実質的に8万4000円高く、プレミアムクレードルシートは文字どおり上級タイプだ。

「クレードル」はゆりかごの意味で、シートの調節機能に由来する。バックレスト(背もたれ)を後方に倒すと座面の前方が持ち上がり、上半身と大腿部の角度があまり変わらない。バックレストの上側が「く」の字型に折れ曲がる機能も備わり、寝かせた状態でも前方が見やすい。座面の下側からはオットマンが持ち上がり、ふくらはぎをサポートすることも可能だ。座面とバックレストは柔らかい仕上がりで、座り心地にボリューム感を持たせた。

とても安楽だが選ぶ時には注意が必要。オットマンを内蔵したこともあり、バックレストを寝かさずに立てた状態、つまり座面の角度が標準位置にある時でも、座面の前側がかなり持ち上がることだ。小柄な同乗者が座ると、腰が落ち込んで膝が持ち上がり、大腿部を押された感覚に陥りやすい。ヴェルファイアや「日産 エルグランド」など、オットマンを装着したシートに共通する注意点でもある。乗員の体格によっては、8人乗りのベンチシートも検討したい。

快適な「ゆりかご」シートだが、安全性には十分な配慮を

ホンダ 新型オデッセイ アブソルート 2列目プレミアムクレードルシートホンダ 新型オデッセイ G・EX(FF)2列目プレミアムクレードルシート

また、3列目のシートを畳むと、2列目は740mmのスライドが可能。後方に寄せると、フロントシートとリアゲートの間にタップリとした空間ができる。オットマンは水平になるまで大きく持ち上がり、バックレストもフルにリクライニングさせれば、広い空間を生かして寝そべった姿勢で座れる。

この状態で走行して、万が一、前面衝突事故を起こしたらどうなるか。2列目のシートベルトはバックレストの上側から引き出すタイプ。寝かせた状態でも体から離れにくいが、急激に前方へ移動すれば、着座姿勢が水平に近い状態だから、シートベルトに十分な乗員拘束力を確保できない。

そもそもクルマのシートに備わるオットマンは、足を前に投げ出して座るための装備ではない。踵(かかと)は床に付けておき、ふくらはぎを軽くサポートするのが正しい使い方だ。

それなのに前述のヴェルファイアやエルグランドを含め、大半のオットマンは大きく持ち上がる。となれば乗員がバックレストを倒して寝そべりたくなるのも当然。安全を考えるなら、オットマンはむやみに持ち上がらない設計にした方が良い。

この点を開発者に尋ねると、「駐車中の使用を考慮したシートレイアウトで、寝そべった姿勢で走行しないよう取り扱い説明書に記載する。それでも走行中に使われた時のことを考えて、衝突時の安全確認も行っている」との返答であった。前述の腰が落ち込んで膝の持ち上がる着座姿勢も、シートベルトの拘束力を保つことを視野に入れている。ただし小柄な乗員が座りにくくなるわけで、シートアレンジを多彩にすると安全確保を含めて不都合が生じてくる。

2列目ベンチシート(3人掛け)にも再注目せよ

ホンダ 新型オデッセイ G(FF/8人乗り)インテリア

以上のようにプレミアムクレードルシートが全面的に優れているわけではない。2列目がベンチタイプであれば、座り心地が自然で、大きなセンターアームレストも備わり、カップホルダーも内蔵される。機能は一長一短だから、ディーラーで比較して選んで欲しい。特に同乗者にも座ってもらい、意見を聞くことが大切だ。

新型オデッセイの3列目はミニバンの中でも快適な部類。特に膝が持ち上がる窮屈な座り方だった先代型に比べると、快適性は大幅に向上した。全高が1700mm以下のミニバンとは思えない。

背景にあるのは前述の低床設計。3列目の床と座面の間隔に不足はなく、膝を抱える着座姿勢になりにくい。バックレストは低めだが、座面の奥行は十分に確保され、大腿部のサポート性も良い。座った瞬間には底突き感が生じるが、その後は快適に座れる。床下に格納する方式で、シートの基本骨格はステップワゴンと共通。それでもステップワゴンと違って、乗員の腰骨にシートの硬い骨格が当たりにくい。床下格納の進化型だ。

身長170cmの大人6名が乗車して、2列目のスライド位置を膝先空間が握りコブシ2つ半になるよう調節すると、3列目の乗員の膝先にも同程度の余裕が生じる。2/3列目で足元空間を融通し合えば、多人数で乗車した時も快適だ。

ホンダ 新型オデッセイ アブソルート ラゲッジルーム

荷室の使い勝手はどうか。薄型燃料タンクの採用で荷室の床も低く、地上高は525mm。燃料タンクをフロントシートの下に搭載する軽ハイトワゴン「ホンダ N BOX」の480mmに迫る低さだ。しかも3列目は床下格納だから、2列シート時にはスッキリと広い荷室になる。

[次ページへ続く]

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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