国産3列シートSUV 徹底比較(1/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:山口敏尚
もともと北米市場ではミニバンが市民権を獲得していた。ところがやがて、ミニバンは「所帯じみている」という認識となり、SUVが脚光を浴び始めた。その急先鋒となったのが、レクサスRX(日本名ハリアー)だ。
それまでSUVというと、トラックベースのため快適性に劣るモデルばかりだったところ、乗用車のプラットフォームをベースに仕立てたことで得られた快適性と、スタイリッシュが外観が大いに受けた。
そして、SUVに3列シートという手法は、米国の大型SUVでは一般的だったが、90年代後半頃からミドルクラスでも見られるようになってきた。その先駆者が、ダッジ・デュランゴである。その後、比較的コンパクトなSUVにも3列シートを与えたモデルが相次いで登場した。
日本で販売される各社の中堅SUVについても、ミニバン並みのユーティリティを求め、このクラスながら3列シートを持つモデルがちらほら登場してきた。アウトランダーやクロスロードがそうであり、そこにヴァンガードも加わった。
RAV4のロングボディ版である新型高級ミディアムSUVのヴァンガード。欧米で販売されているRAV4のロングホイールベース仕様をアレンジし、日本にも導入したモデルである。
その半年前に登場したクロスロードは、ミニバンであるストリームをベースに、SUV的な内外装デザインを与えたモデル。カテゴライズの難しいクルマであるが、もっとも当てはまるのは「SUV」だと思う。
日本で始めて、このクラスのクロスオーバーSUVに3列シートを与えたパイオニアがアウトランダーだ。世界戦略車であり、走りの素性をはじめ、クルマとしての本質を追求して開発された。
3列シートを持つ日本のミドルクラスSUVの3台の素性を、3列目シートの使い勝手を主体に比較検証する。
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