ホンダ 新型フリード vs トヨタ 新型シエンタ どっちが買い!?徹底比較(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
ホンダ 新型フリードとトヨタ 新型シエンタのプロフィール
ホンダ 新型フリードは1.5リッターのノーマルエンジンとハイブリッドを搭載したコンパクトなミニバンで、2016年9月16日にフルモデルチェンジを受けた。先代フリードの発売は2008年だから8年ぶりの一新になる。
新型フリードのライバル車はトヨタ 新型シエンタで、同様に1.5リッターのノーマルエンジンとハイブリッドを搭載する。2015年7月にフルモデルチェンジされた。今回はこの2車種を比べたい。
新型シエンタの売れ行きは絶好調だ。1ヶ月に1万台前後を登録しており、小型&普通車の販売ランキングではトヨタ プリウス、アクアに次いで3位に入る。発売時点の月販目標は7000台だから、発売後1年以上を経過しながら目標を上まわる。
新型シエンタが人気を高めた理由は、商品力のほかに2つの要素がある。まずは現行型の販売店がトヨタ4系列の全店になったこと。総数は4900店舗だから、ホンダカーズの2200店舗、日産の2100店舗に比べて2倍以上の販売網だ。
2つ目はコンパクトミニバンの車種数が少ないこと。今は大きなクルマから小さな車種に代替えするユーザーが増えており、その一方でコンパクトカーからミニバンに乗り替えるケースもある。コンパクトミニバンの需要は多いのに、車種はフリード、シエンタ、商用車をベースにした日産 NV200バネットワゴンしかない。
シエンタの登場時点でフリードは約7年を経過していたから、シエンタが好調に売れた。その意味では、フリードのフルモデルチェンジは遅すぎたといえるだろう。シエンタの独走を許してしまった。
ホンダカーズによると「フリードからシエンタに代替えするお客様は少ない」というが、新たにコンパクトミニバンを求めるユーザーの多くはシエンタを購入し、定番車種の立場を築いた。そこに新型フリードがいかに喰い込めるかが注目される。
なおフリードには3列仕様のほかに、荷室の機能を充実させた2列仕様のフリードプラスも用意されるが、ここでは3列仕様を取り上げる。
ボディサイズ・デザイン・視界比較/新型フリード vs 新型シエンタ
フリードのボディサイズは全長が4265mm、全幅は1695mm、全高は1710mm。シエンタのボディサイズは全長が30mm短い4235mm、全幅は同じで、全高は35mm低い1675mmになる。それでもサイズは同等と見て良い。
ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はフリードが2740mm。シエンタは10mm長く、背が少し低いこともあって外観をワゴン風に見せている。
フリードはミニバンらしさが濃厚だ。フロントマスクやボディサイドのデザインは、フリードが車内の広さを表現したミニバンらしい形状に仕上げた。シエンタのデザインは、冒険的というか新鮮味が伴う。
視界では優劣が分かれる。フリードは前方視界が良く、サイドウインドウの下端も低めに抑えた。右側のサイドウインドウを開くと後輪が少し見えて、側方視界が優れている証だ。駐車場の白線に合わせる操作もしやすい。
対するシエンタは、前方視界は良いが、サイドウインドウの下端が高めで側方と斜め後方は少し見にくい。後輪も視野に入らない。デザインに個性を持たせた代わりに、視界が若干犠牲になった。
最小回転半径は両車ともに5.2mで等しい。
勝者:フリード
内装・インパネ比較/新型フリード vs 新型シエンタ
新型フリードの内装のデザインはオーソドックスな水平基調。メーターはインパネ最上部の奥まった位置に装着され、視線と目の焦点移動を抑えた。
質感は1.5リッタークラスの車種では高く、ステップワゴンのユーザーが代替えしても不満は生じないだろう。エアコンのスイッチはATレバーの左側に装着され、位置が比較的高いので手が届きやすい。
新型シエンタの内装は新型フリードに比べて個性的。
デザインは立体的で、素材は樹脂だが革風でステッチを入れたような表現をしている。この質感も高い。
メーターは新型フリードと同様にインパネ上部の奥まった位置に装着されるが、位置が高く少し圧迫感を抱く。特に小柄なドライバーは注意したい。操作性は良いが、機能性が高いのは圧迫感を伴わない新型フリードだ。
勝者:フリード
1~3列目シートの座り心地・居住性比較/新型フリード vs 新型シエンタ
1列目シートの座り心地は互角。両車ともに体が適度に沈んだところでしっかり支える。
2列目シートは両車ともに6/7人乗りの2種類を用意する。新型フリードの6人乗りは両側にアームレストを備えたセパレートタイプで座り心地が快適。7人乗りのベンチシートに比べて腰が若干落ち込むが、背もたれと座面のサポート性が良い。またセパレートタイプはベンチタイプに比べてスライド量が長い。
3列目シートに乗員が座らない時は、膝先空間をベンチタイプよりも120mm拡大できる。身長170cmの乗員が1・2列目シートに座った場合、後席の膝先空間はベンチシートでは最大で握りコブシ2つ半だが、セパレートシートなら3つ半まで拡大できて快適だ。新型シエンタの6人乗りは中途半端。ベンチシートに似た形状で、中央にはアームレストと収納設備が備わる。座り心地は純粋なベンチタイプの7人乗りが快適だ。
また新型フリードと違って6人乗りでも左右シートの中央に空間がないから、車内の移動がしにくい。3列目シートのスペースはフリードが広い。
身長170cmの大人6名が乗車した場合、2列目の膝先空間を握りコブシ2つ分に調節すると、3列目シートの膝先にコブシ1つ分の余裕ができる。新型シエンタでは、2列目の膝先をコブシ1つ分まで詰めても、3列目の膝先空間はコブシ半分程度だ。
ただし新型シエンタは薄型燃料タンクの採用で3列目シートの床が低く、座面との間隔に余裕があるから腰が落ち込みにくい。また3列目シートに座った乗員の足が2列目の下側に収まりやすく、膝先空間は狭くても着座姿勢に無理がない。新型フリードは空間的には広いが、床が高いので膝が持ち上がって大腿部のサポート性が下がる。
3列目の乗員の足は、新型シエンタと違って2列目の下側に収まりにくい。天井と座面を各30mmほど高めると、居住性は大幅に向上する。新型フリードの床面地上高で、全高が1710mmというのは低すぎるのだ(ステップワゴンは床面地上高は同等だが全高は1840mm)。それでも3列目の座面は新型フリードが柔軟で、2列目も新型シエンタよりは快適だ。居住性を総合的に見ると新型フリードが勝る。
勝者:フリード
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