輸入車コンパクトワゴン 徹底比較(4/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:原田淳
BMWらいさを満身備えたツーリング
セダンのイメージの強いBMWで、あえてツーリングを選ぶという選択肢も悪くない。かつてはBMWのツーリングを買うというと、やや定番を外す様な印象を伴ったが、そのイメージは払拭されつつある。
3シリーズのセダンと同等の走りを持ち、さらにスペースユーティリティがプラスされる訳だから、ツーリングを積極的に選んでいいと思う。BMWに乗りたいがワゴンの使い勝手を望むという人にもってこいだろう。
ボディサイズについて、全幅が1800mmを超えたことがとやかくいわれているが、実際に運転してみてもほとんど気にならない。 価格的には、325iツーリングで550万円。少々割高な印象があるのは否めないが、つい先日、320i(150ps/437万円)が発売されたばかり。そちらは装備の省略もあって一声100万円以上安くなるので、もしストレート6に拘らず、コストバリューを追求するのであればオススメだ。
逆に、さらに上を望むなら330iもそのうち追加されるはずなので、少し待ったほうがいい。
クワトロの優位性に興味がある人に
このところアウディのブランドイメージは、プロダクト(=市販車)の充実はもちろん、ル・マンでの活躍も手伝って世界的に急速に向上している。
もともと欧米では御三家の一角として認識されていたが、日本では従来の販売体制の問題もあってか、やや格下イメージで捉えられがちだった。ところが最近は、都市部をはじめとし本来のポジションでの受け取られ方がされるようになってきた。
A4アバントはアウディが好きな人にはもちろん、ドイツ車が好きでワゴンが欲しいという人や、クワトロシステムに興味があるという人に強くオススメしたい。
ボルボほどワゴンのイメージはないが、A4でアバントを選ぶことには何の違和感を持つ必要もないだろう。また、「アトラクション」というリーズナブルなモデルが追加されたことも歓迎したい。
アウディというブランドを手に入れたいのであればFFの2.0でもいいだろうが、せっかく買うなら、世界屈指の技術力を誇るアウディのクワトロが本命だろう。その高い操縦安定性、走破性への期待を決して裏切ることはない。
安全神話とスポーツエステートの醍醐味
ボルボを乗り継ぐユーザーはかなりの数にのぼるらしい。ボルボのコアバリューである安全、環境への真摯な取り組みは、すでに日本でも高く評価されている。そして、やはりボルボに期待するのは「安全」だろう。
日本ではボルボといえばエステートというイメージ。V50はコンパクトながら見た目も中身もしっかりボルボしている。価格設定には少々割高感があるが、ボルボを手に入れて得られるメリットに期待して選ぶ価値は十分にある。そのひとつは、「ボルボを選ぶ」という安全意識の高さをアピールできる点にもあるだろう。
また、現実的な話として、ボルボは好きだが、ボディが大きくなってハンドルの切れ角が小さくなったV70やXCシリーズの購入を躊躇していたユーザーにも、V50であればオススメできる。
「T-5」はスポーティイメージを前面に押し出したモデルだが、もっとリーズナブルな「V50 2.4」(140ps/381万円)や「V50 2.4i」(170ps/424万円)という選択肢もあり、何も気兼ねせず乗れるという意味では、こちらをオススメしたい。
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